5Gが広げるタイのスマートヘルスケア
新型コロナウィルス感染症の感染拡大は世界各地の社会・経済に影響を与え、すでに負担となっている医療制度にさらなる要求を突きつけています。
タイも例外ではありません。
それに加えて、タイの高齢者人口は増加傾向にあり、国連の報告によると、60歳以上の人口は2015年から2050年にかけて倍増し、全人口の約30%にあたる約2,300万人に達するとされています。しかし医療従事者や医療機器などの医療資源は不足しており、現地の医療需要にすら応えられないのが現状です。
専門医の多くは都市部の病院に勤務しているため、村の住民が定期的な検査や治療を受けるには都市部まで長い距離を移動しなければなりません。そのため、村の住民は定期的な検査や治療を受けるために都会まで出かける必要がありますが、時間がかかり、病院での待ち時間が長く、料金も高いため、不便な思いをしている人も少なくありません。
デジタルヘルス
そこでタイ保健省は都市部と農村部の医療資源の不均衡を解消するため、デジタルヘルス戦略を開始しました。
タイ保健省が開発した遠隔医療ソフトウェアシステムとファーウェイの Ideahubおよび 5Gネットワーク技術を組み合わせることで、地方の病院の医師は、都心にいる専門家のリアルタイムの指導を受けて、より正確な診断を行うことができるようになります。
また、タイ保健省の遠隔医療アプリを使えば自宅からいつでもどこでも医師に相談することができます。個人が検査や治療のために都市部の病院まで長距離を移動する必要がなくなり、時間と費用の節約になるとともに対面診療が減るため、感染拡大の抑制に役立つだけでなく、都市部の病院の医療資源を解放することができます。
タイ国立がん研究所(NCI)の病院ではタイ保健省の遠隔医療ソフトウェアとともに、ファーウェイのIdeahubと5Gソリューションが使用されています。
全国5Gカバー計画
政府の計画によると、5Gは今後数年でほぼすべてのタンボン病院をカバーする予定です。
タイ保健省医療サービス局局長 ソムサック・アックシルプ(Somsak Akksilp)博士は、タイ保健省の「デジタルヘルス」戦略はタイの医療資源のバランスを良くすることで、高齢化が進む人々のニーズに対応でき、医療の価値と患者のニーズを真に結びつけることができると考えています。