フランスでのDigiTruck: デジタルインクルージョンに一歩近づく
デジタルデバイド(情報格差)は、ほとんどすべての国に影響を与える世界的な問題です。フランスも例外ではなく、デジタルデバイドは世代間、社会的、文化的な文脈で存在しています。世代間格差は主に新しい技術に馴染みのない高齢者に影響を及ぼします。社会的格差はデバイスやインターネットを購入する余裕がない低所得者層やコミュニティに影響を与え、文化的格差は、教育機会の少ない人々を排除しています。
実際フランスでは35%の人がデジタルツールを十分に使いこなすことができない、少なくとも1つの困難を経験しています。ハイテク化が進むなか、この格差によりデジタルアクセスの恩恵を受けられないだけでなく、社会経済的不平等を悪化させる要因にもなっています。
優先度の高いコミュニティへ手を差し伸べる
デジタルデバイドはフランス政府も認識している問題です。デジタルインクルージョンのためのフランス国家計画の主要目標は、基本的なデジタルスキルを高め、すべての人にデジタル技術の使用を拡大することを目的としたトレーニングと再教育を推進することです。
この戦略はデジタル世界から誰も取り残さないことを目指す、ファーウェイの長期的なデジタルインクルージョン構想「TECH4ALL」とも一致しています。これを受けて、フランス DigiTruck(デジトラック)プログラムでは、都市政策で定められた優先地区であるQPV(Quartiers Prioritaires de la Ville)のコミュニティに対して、基本的なデジタルスキルのトレーニングを無償で提供しています。
ファーウェイがWeTechCareおよびClose the Gapと共同で立ち上げたDigiTruckは、中古の輸送用コンテナを改造した太陽光発電の移動式教室です。20台のワークステーション、インターネット接続、ファーウェイの再生パソコン、タブレット、スマートフォンを搭載したこの教室はトレーニングへのアクセスがほとんどないような都市の中心部へ、トラックで移動させることができるのです。

プログラム
DigiTruckは月曜日から土曜日までオープンしており、1日3つのテーマのワークショップを開催しています。各ワークショップは90分から3時間で、ITツールやデバイスの使用、オンライン公共サービスの利用、職業的競争力の向上という3つの能力開発に重点を置いています。トレーニングではコンピューター、スマートフォン、電子メール、オンライン会議ツールの使い方といった基本的なデジタルリテラシーのほか、履歴書の書き方、オンラインでの求職活動、病院の予約の仕方など、ニーズに応じた特定のスキルも習得することができます。
対象者は失業中の若者や成人、高齢者などで、デジタルツールやサービスを通じて多くのトレーニングの機会が求められており、社会的・職業的統合スキルの向上がますます必要とされるようになっています。
DigiTruckプログラムの第1期は2021年7月から11月まで実施され、オー・ド・フランス地方の9都市をカバーし、約1,500人の研修生が約700時間のトレーニングを受けました。
2022年は3月から7月まで実施され、イル・ド・フランス地方の9都市を対象としています。