信頼できる高品質の製品とソリューションの構築
情報通信技術(ICT)は、垂直産業からプラットフォーム産業へと進化しており、さまざまな産業のデジタル変革を支援し、完全に接続されたインテリジェントな世界を創造しています。クラウド、人工知能(AI)、ソフトウェア定義を活用したインフラの提供などの新しいテクノロジートレンドは、信頼性の高いICTインフラストラクチャを必要とし、お客様は、ICT製品に投資する際の基本要件として信頼性を引き続き重視します。信頼性とは、良い結果を生み出すことだけではなく、品質プロセスを保証し、本質的に品質の高い方法で製品を設計することでもあります。信頼性は、プロセスと結果の両方における検証可能な品質から生まれます。
サイバーセキュリティおよびプライバシー保護が、ファーウェイの最優先事項です。ファーウェイは、品質マネジメントシステムのISO9000、システムエンジニアリングおよびソフトウェア開発規格のISO/IEC/IEEE15288、12207を活用した効率的なマネジメントシステムを構築しています。これにより、すべてのお客様に高品質の製品を提供するとともに、従業員は製品の安全性を常に重視し、お客様からの信頼を得ています。
今後、完全に接続された世界を安全に保つために、通信業界にはどのような規格が必要になるでしょうか? ファーウェイは、主流のセキュリティ規格、プロセス仕様ガイド、規制指令、ホワイトペーパー、学術論文など、150を超えるのドキュメントの開発に携わってきました。ファーウェイは、包括的な規格というものは存在せず、むしろさまざまな規格がセキュリティのさまざまな側面を重視していることを発見しました。ファーウェイは、大規模で複雑な製品を設計するための知識だけでなく、大規模な開発、ネットワーク導入、オペレーションおよびメンテナンス(O&M)の経験があります。ファーウェイの信頼性フレームワークは、システムエンジニアリングの共通の知識に基づき、説明可能性、実装可能性、検証可能性、さらには注目すべき業界コンセンサスという4つの原則を用いて定義されます。
図1-1 ファーウェイの信頼性フレームワーク
当社は、開発するすべてのICTインフラストラクチャ製品とソリューションが信頼でき、高品質であるように責任を持って取り組んでいます。会社として取り組む重要な分野は以下のとおりです。
セキュリティ: ファーウェイは、サービスとデータの機密性、整合性、および可用性を保護する機能など、製品の防御機能を強化します。
レジリエンス: これは、システムが攻撃を受けている間、既知の状態を維持し、たとえ劣化した状態になったとしても、攻撃後に迅速に回復する能力です。
プライバシー: プライバシーの保護は規制要件であり、企業としてのファーウェイの価値観の表明でもあります。また、ユーザーは、データの使用方法を適切に制御できる必要があります。情報使用ポリシーは、ユーザーに対して高い透明性を持つ必要があります。ユーザーは、自らのニーズに基づいて、いつ、どのような情報を受け取りたいかを適切に制御できる必要があります。ユーザーの個人情報を完全に保護するには、一連の機能とメカニズムが必要です。
安全性: システム障害は、許容できないリスクを引き起こすものであってはならず、また、直接的にも間接的にも、環境または属性を損なうことにより、いかなる個人の安全にも害を及ぼすものであってはなりません。
信頼性と可用性: 製品のライフサイクル全体にわたって、障害の発生しない長期的な運用を確保する必要があります。予測可能で一貫性のあるサービスを提供するだけでなく、迅速な復旧と自動管理が可能である必要があります。
信頼性は、各製品の開発、実装、イノベーションの最初から全体を通して組み込まれる必要があります。当社は、製品のイノベーションからお客様の前提に至るまで、各製品の整合性と双方向のトレーサビリティを確保し、必要に応じて適切な機密保護メカニズム(アクセス権限の分離、信頼、および動作監視メカニズムなど)を提供し、製品が偽造されたり改ざんされたりしないことを保証する必要があります。また、導入、保守、廃棄のプロセスとツールが機密データを侵害から保護できることも保証する必要があります。信頼性を実現するためには、各分野で信頼性の高いシステム設計、信頼性の高いソフトウェア実装、信頼性の高いデリバリとO&M、製品ライフサイクル管理の変革を実施する必要があります。
過去100年間、世界で最も成功した企業の多くは、変化に適応できなかったために倒産しています。企業が外の世界の変化に順応し続けるには、進化を選択する以外の方法はありません。価値を提供し続けるために、ファーウェイはオープンであり続け、進化し続ける必要があります。当社の取締役会は、今後5年間でソフトウェアエンジニアリングの能力と実践を根本的に強化するために、広範な変革プログラムを開始することを決定しました。プログラムの全体的な責任を負うのは、当社の輪番会長である徐直軍(エリック・シュー)です。このプログラムには、初期予算として20億米ドル(約2,156.2億円)を割り当て、ICTインフラストラクチャ事業の全製品を対象とします。当社の目標は、信頼性が高く、高品質の製品を開発することです。当社のビジョン・ミッションである、あらゆる人、家庭、組織にデジタル化の価値を提供し、すべてがつながったインテリジェントな世界を実現するのは、この方法のみです。