グローバル・モバイル・ブロードバンド・フォーラム2016
2016年11月24~25日、幕張メッセにおいて『グローバル・モバイル・ブロードバンド・フォーラム2016』を開催しました。GSMAとGTIを協力パートナーに、これまでノルウェー、ドイツ、カナダ、英国、中国の6都市で開催し、多くの通信事業者や産業パートナーの皆様にご参加いただき、高い評価を受けてきた同フォーラム。7回目となる今回は初の日本での開催となり、国内および世界各地の通信事業者のほか、垂直産業、標準化団体、業界団体などから各界を代表する1,500人以上をお招きしたほか、初めての試みとして2日目は一般の来場者にも公開し、より活発な異業種交流を図りました。
世界のMBB産業の今後を探る22の基調講演
フォーラムでは、モバイル・ブロードバンド(MBB)に関わるさまざまな業界からスピーカーを迎え、MBBの未来を探る22の基調講演を実施しました。ファーウェイからは輪番CEO兼取締役副会長 胡厚崑(ケン・フー)による開会のあいさつのほか、専務取締役兼プロダクト・ソリューション担当プレジデント 丁耘(ライアン・ディン)が5Gへの取り組みについて、ワイヤレス・ソリューション担当プレジデント 鄧泰華(エドワード・デン)がオール・クラウド化時代のMBBビジョンについて講演。GSMA 事務局長のマッツ・グランリッド(Mats Granryd)氏、GTI 議長のクレイグ・エールリッヒ(Craig Ehrlich)氏、BTグループ モバイル & ITセクション マネージング・ディレクター兼EE CTIO フォーティス・カロニス(Fotis Karonis)氏(写真1)、Orange 無線ネットワーク担当シニア・バイス・プレジデント アルノー・ヴァンパリ(Arnaud Vamparys)氏(写真2)といった通信業界からのスピーカーのみならず、CNN チーフ・プロダクト・オフィサー アレックス・ウェレン(Alex Wellen)氏(写真3)、Mastercard日本地区社長 ナンダン・マー(Nandan Mer)氏(写真4)など、多様な産業のリーダーが各業界におけるMBBの可能性について知見を共有しました。
開催地である日本からも、ソフトバンク代表取締役社長兼CEO 宮内謙氏(写真5)、NTTドコモ 執行役員 R&Dイノベーション本部 R&D戦略部長 中村寛氏(写真6)、ソニー 執行役員 コーポレートエグゼクティブ 島田啓一郎氏(写真7)、東芝 執行役常務兼インダストリアルICTソリューション社 副社長 下辻成佳氏(写真8)、安川電機代表取締役会長 津田純嗣氏(写真9)、慶應義塾大学 環境情報学部長・教授 村井純氏(写真10)が登壇
また、コネクテッド・カーやロボティクスなどの異業種間協業、モバイルIoT、 5G、4.5G、 オール・クラウド化コア・ネットワークをテーマとした5つのサミットも開催。各分野のエキスパートが一堂に会し、白熱した討論を行いました。
「TechCity 2.0の持続的イノベーションに向けて」と題したパネル・ディスカッションには、ソフトバンク モバイル技術本部ネットワーク企画統括部 統括部長 北原秀文氏のほか、BTグループ コンバージド・ネットワーク&イノベーション・ディレクター マンソー・ハニーフ(Mansoor Hanif)氏、TDCグループ モバイル&テクノロジー担当バイス・プレジデント イェスパー・オルデンブルク(Jesper Oldenburg)氏、TELUS CTO イブラヒム・ギデオン(Ibrahim Gideon)氏、ファーウェイ ワイヤレス・ネットワークCMO 周躍峰(ピーター・ジョウ)が、MBBで“つながった”都市の未来について議論した
3,500㎡の展示エリアでMBBの未来を拓く技術を紹介
3,500㎡に及ぶ展示会場では、Cloud RANエリア(写真11)、4.5Gエリア(写真12)、5Gエリア(写真13)の3つのエリアでMBBの未来を拓くファーウェイの製品・ソリューシンの数々を展示したほか、ソフトバンク、中国移動、クーカ(写真14)、安川電機、ABB、ボッシュ、東芝、村田製作所(写真15)、ローム、アルプス電気、大日本印刷、DJI、トヨタ自動車、CNNなどの企業が、通信からIoT、ロボティクス、自動運転、動画サービスにまで多岐にわたる技術を紹介しました。
Massive MIMOやNB-IoT、5G・LTEデュアル接続のデモを披露
展示に加え、会場ではMBBの未来を実感していただける技術デモも実施しました。そのひとつが、5Gの有力な要素技術のひとつであるMassive MIMOの屋外フィールド・デモです。同デモではソフトバンク・グループのWireless City Planning(WCP)が保有する2.5GHzのTDD(AXGP)商用ネットワーク上で20MHzの周波数帯を利用し、最大620Mbps/セルのスループットを達成したほか、平均でも混雑時でLTEの10倍に相当する400Mbps/セルを実現しました。
また、エンド・ツー・エンドのNB-IoTソリューションを活用してスマート管理を実現したパーキング・サービスも日本で初めて披露。センサーとNB-IoT対応の通信モジュールを搭載した車両検知器を設置した駐車場で、リアルタイムで駐車スペースの利用状況を把握し、スマートフォン・アプリを利用して駐車場の検索、予約、支払いを行う様子を紹介しました。
さらに、新たな『CloudRAN』ソリューションにより5GとLTEの2つの移動体通信システムを同時に利用したライブ・デモでは、シングル・ユーザーで最大21Gbpsのスループットを達成し、既存のLTEネットワーク上で5G向け無線インターフェースである5G New Radio(NR)の迅速な展開を進める可能性を示しました。
11 CloudRANエリア
会期中ファーウェイは、コア網をクラウド化する『CloudEdge』、無線アクセス網をクラウド化する『CloudRAN』、無線インターフェースをクラウド化する『CloudAir』によって移動体通信網の完全なクラウド化を実現する統合ソリューション『ERA』を発表。CloudRANエリアでは、同ソリューションを中心に新たなネットワーク・アーキテクチャへの進化のプロセスを展示
12 4.5Gエリア
新世代の屋内モバイル・ブロードバンド・ソリューション『LampSite 3.0』(上段左)、モバイルを活用して家庭向けブロードバンドの可能性を広げるWTTx ソリューション(上段右)のほか、自動車の運転支援システム、スマート・パーキングやスマート・メーターなどのNB-IoTの活用事例も紹介
13 5Gエリア
5G技術のライブ・デモのほか、VR(仮想現実)や自動運転など5Gアプリケーションの可能性を体験できるエリア
パートナー展示エリア
MBBを活用した産業エコシステムに関わるさまざまな業界の企業が技術を展示