「厚積薄発」――目標の実現に向かって、一意専心とたゆまぬ努力を
華為技術日本株式会社
代表取締役社長
王 剣峰 (ジェフ・ワン)
近年、ブランド力向上に取り組んでいるファーウェイは、昨年末から中国ほか数か国で企業広告キャンペーンを展開しています。中国語では「厚積薄発(ホウジーボーファ)」、英語では「Focus, Persevere, Breakthrough」をキャッチコピーとした広告を、2月にバルセロナで開催された『MWC(Mobile World Congress) 2016』や6月の『Interop Tokyo 2016』のファーウェイ・ブースで目にされた方も多いでしょう。
中国語の「厚積薄発」とは、中国古来のことわざで、時間をかけて地道に努力を重ね、確実に蓄積した力を少しずつ発揮していくことを意味し、また、その力を重要なことに集中して投入することも指しています。
この広告キャンペーンはシリーズ化されており、いずれも創意工夫を凝らしていますが、そのうちのひとつは、スイスに本部がある世界最大の素粒子物理学研究機関CERN(欧州原子核研究機構)が擁する世界最大の粒子加速器(ハドロン衝突型加速器)の写真を起用しています。
CERNと言えば、「神の粒子」とも呼ばれるヒッグス粒子と一致する性質を持つ粒子を発見したことで脚光を浴び、その存在が広く一般の人々にも知られるようになりました。「神の粒子」と呼ばれているのは、もしヒッグス粒子が存在しなければ、宇宙を構成するすべての星や生命が生まれないという理論に由来しています。
科学者たちは数十年もの歳月をかけ、ヒッグス粒子の存在の究明に努めてきました。ヒッグス粒子の発見が難しかったのは、それが非常に小さく、宇宙空間に密集して存在しているため、検出するには宇宙の誕生時のような大きなエネルギーを使って空間から取り出さなければならなかったからです。つまり、「ビッグ・バン」(宇宙の大爆発)を人工的に再現させる実験が必要でした。CERNはビッグ・バンに相当する大爆発を生み出すために、90億ドル(約9,720億円※)もの研究資金を投じ大型ハドロン衝突型加速器などの実験装置を建設しました。その結果、2012年7月に、人類にようやく「神様の足音」が聞こえたのです。そして、「神の粒子」の発見は、恒星、惑星や人類の存在のルーツを解明する上での重大発見となりました。
こうして、科学者たちの揺るぎない信念と長年にわたるたゆまぬ努力が、人類史上の一大ブレイクスルーへと結実しました。まさに、「厚積薄発」そのものです。それはまた、パイプ戦略に集中して投資してきたファーウェイの経営戦略とその企業文化の価値観に通ずるものでもあります。
ファーウェイは今年、「Leading New ICT, Building a Better Connected World」をテーマに『Interop Tokyo 2016』に出展し、優秀展示製品を表彰するBest of Show Awardにおいて4部門でグランプリを受賞しました(P16参照)。Best of Show Awardの受賞はこれで4度目となりますが、今回のグランプリ受賞は、ファーウェイが守り続けてきた「厚積薄発」の精神が導いた結果であると受け止めています。長期にわたる研究開発への戦略投資と品質の飽くなき追求を、技術の先進性と高い品質が求められる日本市場において継続して評価いただいたことを喜ぶと同時に、さらなる高みを目指す決意で身がいっそう引き締まる思いです。
グローバルに事業を展開するファーウェイにとって、日本はきわめて重要な市場のひとつです。今後も投資を継続すると同時に、日本のお客様のニーズを起点とした技術提携に注力し、Win-Winの関係を築き上げるべく、持続的なイノベーションとグローバル・リソースの統合による優位性を発揮していきます。そして、パートナーの皆様と力を合わせて活気溢れるクラウド・エコシステムを構築し、企業のデジタル変革を支えながら、日本政府が掲げるスマート・ジャパンICT戦略の実現をサポートしてまいります。
最後になりましたが、4月に発生した熊本県を中心とする地震により亡くなられた方々に謹んでお悔やみを申し上げますとともに、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。弊社は地震発生後、通信事業者と協力して速やかに通信の復旧作業を行い、また微力ながら、日本赤十字を通じて会社と従業員から義捐金を寄附しました。被災地の方々が一日でも早く元通りの生活を、そして、地域のシンボルである熊本城が昔日の雄姿を取り戻すことを、社員一同心よりお祈りいたします。
「厚積薄発」企業広告のキャンペーンについて詳しい紹介はこちら(英語)
※1米ドル=108円換算