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ファーウェイの成長を支えるR&D

ファーウェイは1987年の設立以来、お客様志向の研究開発に注力することで成長を続けてきました。近年は売上高の10%以上をR&Dに投資し、全従業員の45%以上にあたる約7万人が研究開発に携わっています。グローバルな事業展開にともない、世界各地に16か所の主要なR&D拠点、28か所の共同イノベーション・センター、45か所のトレーニング・センターを設置し、各地でその市場の特性にあわせ、優秀な人材を採用して、通信事業者やサプライヤーなどとのパートナーシップを生かした研究開発を行っています。

今回のHuaWaveでは、ファーウェイの成長を支えるR&Dの取り組みと日本研究所の役割、今後の戦略と計画についてご紹介します。

コラボレーションを通じたWin-Winの実現

ファーウェイはお客様にとって真に価値のあるイノベーションを実現するため、世界各地で現地の通信事業者、サプライヤー、大学との共同研究開発を行い、それぞれのパートナーとのWin-Winな関係構築に努めています。より競争力の高い技術によってお客様のニーズを満たすだけでなく、さらなるイノベーションを重ねてICT業界全体の発展に貢献し、オープンな協業により業界の健全なエコシステムの構築を促進することが、ファーウェイの目標です。

通信事業者との共同研究開発

ファーウェイは全世界で28か所ある共同イノベーション・センターにおいて、各地の通信事業者との共同研究開発を行っています。ファーウェイが持つグローバルな事業で蓄積したノウハウやエンド・ツー・エンドのソリューションにおける専門知識と、通信事業者のユーザー動向や市場に対する見解とを効果的に融合させ、新たな価値の創造に取り組んでいます。

ファーウェイの最初の共同イノベーション・センターは、2006年10月、スペインのマドリッドにボーダフォンとともに設立されました。このモバイル・イノベーション・センターからは、複数の通信方式の効率的な運用を可能にするファーウェイのSingleRANソリューションをはじめ、数々の革新的な技術が誕生し、商用化につながっています。ボーダフォンとはその後もヨーロッパ各地でソフトウェアやFMC(Fixed-Mobile Convergence:固定通信と移動通信の融合)、法人向けソリューションなどに特化した共同イノベーション・センターを設立してきました。

サプライヤーとの共同研究開発

ファーウェイは既存部品の品質改良から、開発ロードマップや製品設計戦略の共有、共通プラットフォームにおける共同部品開発、ソリューション提携にいたるまで、さまざまなレベルでサプライヤー各社との連携を進めています。これは、協業を通じてサプライヤーとともに価値を創出することで、競争力と同時に持続可能な発展を追求するという、ファーウェイのパートナーシップ戦略に基づくものです。ファーウェイにとってはお客様のニーズや将来のトレンドを踏まえた技術開発と部品調達が可能になり、サプライヤーにとってはファーウェイのグローバルなビジネス・ネットワークを生かした製品の世界展開が可能になるという、Win-Winな結果をもたらしています。

また、R&D部門には、ファーウェイの購買部が自社の製品ニーズや開発戦略に適した優れた部品やモジュールを提供できるサプライヤーを選択し、継続的な提携関係を築けるよう、技術面からサポートするという機能もあります。日本研究所もこうしたマッチング機能を担う地域調達センターのひとつとして、高い技術力を持つ日本の製造業者との協業を促進する役割を果たしています。これまでに、パナソニック、京セラなど多くの日本企業とパートナーシップを構築してきました。

サプライヤーとの共同研究開発の一例として、2012年、ファーウェイはジャパンディスプレイと協同で業界初の5型Full-HD、443ppi、超薄型・狭額縁・高精細液晶モジュールを開発しました。このモジュールはファーウェイのハイエンド・スマートフォン『Ascend D2』にグローバルで採用されています(5月にNTTドコモから発売された日本モデル『AscendD2 HW-03E』は4.7インチディスプレイのため、別モジュールを採用)。

大学との共同研究開発

さらにファーウェイは、世界各国の著名な大学とも数多く提携し、次世代のイノベーションを生み出す最先端の学術研究を積極的に支援しています。2012年にはイェール大学との共同研究の成果として、ストレージ、コンピューティング、ネットワーク、ビデオなどさまざまなサービスやハードウェアが高度にモジュール化されたオープンなクラウド・プラットフォーム『Open Edge Cloud』を発表しました。また今年1月にはケンブリッジ大学の工学部およびコンピューター研究所の2つの研究室と共同研究契約を締結し、新たなイマーシブ・エクスペリエンス(遠隔地にいながらその場にいるかのような感覚を味わえる体験)を可能にする技術についての学際的な研究を実施する計画です。

日本でも、東京工業大学、電気通信大学、早稲田大学などの大学研究室とさまざまな形での提携を進めています。

日本におけるR&D

優れた技術力と高い品質基準を誇る日本は、ファーウェイにとって重要な市場であるだけでなく、R&D拠点および調達市場としても特別な役割を持っています。日本でのR&Dは、まず2010年10月に錦糸町オフィスでスタートし、その1年後にはさらに機能を拡張し、錦糸町と大手町の2か所のオフィスからなる日本研究所として正式に発足しました。設立当初は10数名の小さなチームでしたが、徐々に人員を増強し、2013年6月現在40人余りの従業員が日本研究所に所属しています。また前述のように、日本研究所は地域調達センターとしての機能も持っています。

日本研究所の役割

日本研究所では、端末とネットワークのそれぞれの領域で研究開発を行っています。

端末領域では、ハイエンド撮影モジュール、ディスプレイ・モジュール、スマートフォン機器設計の分野に注力し、高い技術を持つ日本のサプライヤー各社との協業のもと研究開発を行っています。また、本社のR&D部門が日本の通信事業者のお客様とエンド・ユーザーのニーズに適った各種端末機能を実現できるよう、タイムリーにサポートしています。

ネットワークの領域では、固定ネットワークとワイヤレス・ネットワークの分野で研究を進めています。また、日本の複数の大学研究室と交流を深め、通信業界の動向について継続的に情報交換を行っています。こうした交流は、ファーウェイが今後の技術革新の方向性を見極めるために重要であるとともに、研究者の方々にとってもビジネスの現場からの最新情報を得る機会となり、通信

業界にさらなる発展をもたらす研究へとつながることが期待されます。

地域調達センターとしての機能

ファーウェイが継続的なイノベーションを実現するためには、高い技術力を持つ日本のサプライヤーの部品やモジュールが不可欠であり、日本は数十か国あるファーウェイの調達市場のうち、中国、米国、台湾に次ぐ第4位という重要な位置を占めています。

日本研究所は、ファーウェイの開発ロードマップや技術要件をサプライヤーと共有することで、本社のR&D部門・購買部とともに日本のサプライヤーとのパートナーシップを強化し、日本の高品質な部品やモジュールをファーウェイの製品に生かせるよう貢献しています。こうした協業は同時に、日本のサ

プライヤーと開発した新たな技術をグローバルに展開することにより、サプライヤーがビジネス・チャンスを広げていく一助ともなっています。

今秋、横浜オフィスへ拡張移転

今年度、日本研究所は設立3年目を迎え、設備と人員を拡張し、研究開発活動をいっそう強化することを計画しています。秋には、これまで錦糸町オフィスと大手町オフィスの2か所に分かれていた研究所を統合し、横浜の新オフィスへ移転します。ICT分野の企業が多く集まる横浜市を拠点とすることで、業界内での協業や交流をさらに深めていくことが移転の目的です。また、人材面でも新卒採用を含む現地採用を積極的に進めていく予定です。

ファーウェイR&Dピープル

日本研究所には、本社からの出向社員、現地採用社員、現地契約顧問が勤務しており、全体の70%以上が現地採用です。立場や出身地はさまざまですが、それぞれが互いを尊重し、経験を生かしながら力を発揮しています。

仕事以外の時間にも、週末に遠足や旅行に出かけるなど、社員同士の交友を深めています。中国人社員は日本語や日本文化の習得にも熱心で、大手町オフィスでは週に一度、錦糸町オフィスでは毎日就業後に、日本人社員が講師を務め、自主的な日本語レッスンを行っています。

日本市場に価値あるイノベーションを

日本研究所 所長 金俊文(Jin Junwen)

ファーウェイが今日のようなグローバル企業へと成長を遂げることができた背景には、R&Dを通じて世界各地のお客様に新しい価値をもたらす技術革新を絶えず追求してきたことがあります。日本研究所も、ICTにおいて最先端の技術力と産業基盤を誇る日本市場から学ぶとともに、パートナーの皆様とともにイノベーションを実現し、日本のICT業界のさらなる発展に寄与するという使命を負っています。

ファーウェイにとって、日本は部品やモジュールの調達市場としても非常に重要です。日本研究所は、日本のサプライヤーがファーウェイ製品の技術要件を反映した部品やモジュールを設計・製造できるよう、情報を共有し、協業を促進する役目を担っています。ファーウェイは自社製品に必要な高性能の部品を調達し、サプライヤーは競争力のある製品を開発してグローバルに展開することができる――双方にとってWin-Winな結果をもたらすコラボレーションの実現に、引き続き貢献したいと考えています。

また、日本市場に特有の仕様をよりよく実現することも、日本研究所の役割のひとつです。日本のエンド・ユーザーはテクノロジーに対する優れた感性と品質への高い期待を持っています。ファーウェイはこれまでにも、デジタルフォトフレームや子ども向け携帯電話など、日本のユーザーの視点を生かした製品を開発してきました。日本研究所は、日本市場におけるニーズをしっかりと分析して把握し、それを製品やサービスに反映することで、お客様のビジネスをさらなる成功へと導けるよう尽力しています。

日本法人の設立から8年、日本研究所の設立から2年の間に、ファーウェイは数多くの日本企業や大学とパートナーシップを構築してきました。日本研究所はこれからも、日本のパートナーの皆様とともにオープンなコラボレーションとWin-Winな関係づくりを進めてまいります。こうした取り組みが、ファーウェイとパートナーの皆様だけでなく、ひいては日本のICT業界全体により大きな価値をもたらしていけるものと信じています。