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知的財産権におけるファーウェイの取り組み

閻 力大エンリダ華為技術日本株式会社 代表取締役社長

中国企業の国際特許申請数が目覚しく増えていることが、日本のメディアでも注目されています。中国は「世界の工場」から徐々に脱し、世界中に新技術を発信する国に転換しようとしています。

ファーウェイは健全なビジネスシステムの構築上、知的財産権( I P R )の尊重(Respect)・情報開示(Openness)・協力(Collaboration)が不可欠だと考えています。IPRを尊重・保護することで、より多くのイノベーションが生まれるという信念から、当社は20年ほど前に本社に知的財産部門を設置しました。今日では、IPRを専門とする弁 護 士や特 許 技 術 者を社内に数 百 名 擁 するようになり、そのうち約20名は米国と欧 州の現地スタッフを採用しています。

顧客志向のイノベーションを経営の主軸 とするファーウェイは、世界に23か所のR&D センターを置き、年間売上高の10%以上を 研究開発に投資しています。2011年の投 資額は売上高の11.6%、約37億6,000万 ドル(約3,008億円※)に達し、過去10年間 の投資総額は150億ドル(約1兆2,000億 円※)を超えています。これまでに世界で4万7,000件を超える特許を出願し、2011年末までに2万3,500件以上が承認されました。

また、当社は同業他社の特許技術も活用し、年間約3億ドル(約240億円※)の特許使用料を支払っています。

特許の価値は、言うまでもなく量よりもそ の質にあります。たとえば、ファーウェイは次 世 代 無 線 通 信 技 術のL T E( L o n g T e r m Evolution)の必須特許の15%以上を保 有しています。また、ファーウェイの特許技 術はFTTH(Fiber To The Home:ファイ バー・トゥ・ザ・ホーム)、OTN(Optical Trans- port Network:光伝送ネットワーク)、固定ブロードバンド・ネットワークの音声通話規格であるG.711.1といった分野でもその価値を 発揮しています。

IPRを尊重・保護することに加え、当社は IPRの有償利用とクロスライセンスの活用に おいて、オープンかつ協力的な姿勢を保持し ています。これは、既存のIPRに重複した投 資を行うことを防ぎ、イノベーションのコストを 抑えるためであり、また業界の健全なエコシ ステムにも貢献するものです。

技術開発には利益獲得までに長時間を要する場合や、投資額が膨大になる場合もありますが 、3 G P Pや E T S(IE u r o p e a nTelecommunication Standards Institute: 欧州電気通信標準化機構)といったオープ ン標準化団体のサポートや、IPRの有償利用 に対するFRAND(Fair, Reasonable, and on-Discriminatory : 公正・合理的・非差 別的)条件の保護によって、多くの企業が通 信業界に継続的かつ効果的に投資するこ とが可能となり、業界全体のさらなる発展へとつながっています。

またファーウェイは、130を超える標準化団 体に会員として参加し、その多くで理事など180以上の要職を務めているほか、ETSI、 ITU(International Telecommunication U n i o n:国 際 電 気 通 信 連 合 )、I E E E(Institute of Electrical and Electronics Engineers:電気電子学会)、IETF(Inter- net Engineering Task Force:インター ネット・エンジニアリング・タスク・フォース)と いった団体に2万8,000件の提案をしてき ました。標準化は、共通のプラットフォームを構築し、技術の共有とイノベーションを促進する上で不可欠であり、ファーウェイはそのためにあらゆる努力を行っています。

さらに当 社は、クアルコム、アルカテル・ ルーセント、ノキア、エリクソンといった大手 同業者とともに特許ライセンス化のプログラ ムにも積極的に関わっており、これらの企業 や特許保有者との間にクロスライセンスの 契約を数十件締結しています。こうした取り 組みによってイノベーションの成果を共有してこそ、IPRの社会的価値が最大化される のです。

中国が急速な経済成長とグローバル化 を遂げる中、ファーウェイは顧客志向のイノ ベーションを基軸としてICT産業のグローバ ル・リーダーの仲間入りを果たしました。振り 返れば、競争と協力へのオープンな姿勢が 当社の継続的成長を支えてきたのだと思い ます。健全なIPRエコシステムを築いていく ことは、世界市場で技術を生み出し続ける 企業としての重要な責務です。世界の通信 事業の発展のために、ファーウェイはこれからもその責務を果たしてまいります。

※)1米ドル80円換算