ファーウェイ、「1+N」ターゲットネットワーク向け5Gソリューションの フルシリーズを発表
【2020年11月13日、中国上海】 2020年のグローバルモバイルブロードバンドフォーラム(MBBF)において、ファーウェイ(中国語表記:華為技術、英語表記:HUAWEI)のワイヤレスネットワークソリューション プレジデントの楊超斌(ヤン・チャオビン)は未来志向の「1+N」5Gターゲットネットワークを公開し、シンプルな「1+N」5Gネットワークを構築する5Gソリューションのフルシリーズを発表しました。楊は「来たるべき5Gの黄金時代を迎えるために、あらゆる領域でネットワークを5G向けに進化させ、「N」機能のオンデマンドオーバーレイを備えたユビキタス接続を保証する、一元的かつ高帯域幅でシンプルなターゲットネットワークを構築することが求められます」と言及しました。

ファーウェイのワイヤレスネットワークソリューションプレジデントの楊超斌(ヤン・チャオビン)
5Gは新世代のモバイル技術であるだけでなく、新しいビジネス、エコシステム、そして機会の創出を象徴します。5Gは4G以上に多様なサービスと、差別化された要件を特長としています。人の接続には優れたユーザー体験を提供し、ビットあたりのコストを大幅に削減できる広帯域幅ネットワークが必要です。モノの接続にはIoT端末の大量接続に対応できるユビキタスなカバレッジが必要です。ローカルシナリオで最初に適用される業界の接続は柔軟な高アップリンク、低遅延、高精度ポジショニング等をオンデマンドで展開することが求められます。これらの差別化された要件を満たすために、ファーウェイは5Gに向けたフルスペクトラムの進化を実現する、「1+N」の5Gターゲットネットワークを提案します。またコアおよびその他の周波数帯域として広帯域中間周波数(IF)を備えたユビキタスな大容量基盤ネットワークを構築し、差別化された恩恵と、「N」機能のオンデマンドオーバーレイを実現します。
ユビキタス接続のための一元的基盤ネットワークの構築
すべての取り組みは最初の一歩から始まります。ユーザー体験が飛躍的な5Gサービスの展開の基盤となります。世代間に渡るユーザー体験を継続的に提供するには、5Gネットワークのビットあたりのコストを削減することが求められます。高帯域IFとMassive MIMO(M-MIMO)のコンビネーションは高帯域幅ネットワークを構築し、ユビキタス接続を実現するための鍵となります。
グローバル規模の展開が、TDD高帯域幅のM-MIMOが業界全体で高く評価されていることを証明しています。TDD IF M-MIMOは1.8GHzで同一サイトのコカバレッジを実現し、4Gと比較して少なくともユーザー体験を10倍改善します。同じハードウェアのパフォーマンスもアルゴリズムによって大きく異なります。アルゴリズムはM-MIMOパフォーマンスの基盤として、商用ネットワークのパフォーマンスに大きく影響します。ファーウェイの先駆的アルゴリズムにより、事業者は5Gネットワークのユーザー体験とセル容量を大幅に改善できます。ファーウェイの適応型高解像度(AHR)アルゴリズムにより事業者は、ユーザー密度が高く、干渉が強いシナリオにおいても、ネットワーク容量をさらに拡張できます。UL/DL分離ソリューションはTDD IFバンドのアップリンクカバレッジを改善します。これはM-MIMOのカバレッジをアップリンクで6~7dB、ダウンリンクで2~3dB改善します。ファーウェイはMBF2020でマルチバンドUL/DL分離ソリューションも発表しました。このソリューションは3.5GHz/3.7GHzと1.8 GHz/2.1GHz/700MHz、2.6GHzと1.8GHz/700MHz、4.9GHzと2.3GHzの組み合わせに対応しています。
2019年、ファーウェイは業界初のBlade AAUを発売しました。本製品はSub-3GHzと32T32R M-MIMOを統合することで、アンテナスペースが非常に限られた市場の課題に対処し、単一アンテナ5G M-MIMOのシンプルな導入を実現しました。今年、ファーウェイは64T64R M-MIMOおよびSub-3GHzフルバンドに対応するBlade AAU Proを発表しました。当ソリューションは導入を簡素化してコストを削減する、独自の「透過型」アンテナ技術を搭載しています。
高帯域TDDを取得しづらい市場、および容量負荷が大きい市場に対して、ファーウェイは業界初のFDD M-MIMOを発売しました。これはセル容量を4T4Rネットワークの3~4倍に大幅に拡大します。革新的なメタマテリアルダイポール設計と超小型のPIMフリーフィルタ技術により、FDD M-MIMOの振幅は500mm未満でエンジニアリング仕様はTDD M-MIMOと同等です。
楊は「ファーウェイの広範なIF M-MIMOソリューションおよび高度なソフトウェアアルゴリズムは、通信事業者がユビキタス接続に向けてIFを中心とする高帯域基盤ネットワークを構築し、最適なユーザー体験を実現するサポートをします」と言及しています。
「N」機能がいかに導入をシンプルにし、重要な恩恵をもたらすか
通信事業者は高帯域なIFで基本サービスを運営しながら、FDDやスーパーアップリンクなどに割り当てられた他のスペクトラムを用いて差別化された優位性を開発することも可能です。しかしこれはスペクトルの断片化、チャネルとセクターの多様性、スペクトルライフサイクルの違い等の課題をもたらします。楊は「N機能を革新するには、多様性と秩序を保ちながら、導入を簡素化する必要があります」と述べています。
ファーウェイはMBBF2020でFDDアプリケーション向けに高度に統合されたBlade Proポートフォリオを発表しました。このポートフォリオには、業界で定評のある超広帯域RRUが含まれており、3基の低周波、あるいは中周波のFDDバンドを1ボックスに統合することで、必要デバイス数を2/3削減し、導入を大幅に簡素化します。また、マルチバンドの動的な電力共有にも対応し、RRUのエネルギー効率は極めて高くなります。業界初のデジタル・ソフトウェア定義アンテナ(SDA)および8T8R RRUを搭載したBlade Proの柔軟なチャネルソリューションは、その卓越した柔軟性から、あらゆるシナリオに最適です。マルチTX、マルチセクターカバレッジに対応し、1モジュールで大容量且つ2 x 4T4Rまたは4 x 2T2Rを提供することで、輸送ラインやタワーステーションに対応します。
マクロ基地局が基本的な不完全なカバレッジしか提供できない場合、ポールサイトがカバレッジギャップを解消し、トラフィックをオフロードし、アップリンクを強化します。また、ファーウェイは5Gカバレッジを補完する一連のシンプルなソリューションを発表しました。Easy Macro 3.0はFDD 4T4R および TDD 8T8Rを1ボックスに搭載する業界初のアプリケーションで、UL/DL分離のシンプルな展開に対応します。Book RRU 3.0は、TDD およびFDDのいずれの4T4Rにも対応します。屋内カバレッジではLampSite EEスイートがD-MIMO、スーパーアップリンク、高精度のポジショニングなどのB2B機能を提供し、あらゆるシナリオで複数サービスに対応します。
「1+N」による自律駆動ネットワーク
効率的なO&Mは「1+N」ターゲットネットワークを構築する上で大きな課題です。1つ目の課題は、B2B機能の効果的なターゲットを行い、2G、3G、4G、5Gを同時に維持することです。もう1つの課題は、ユーザー体験とエネルギー消費、あるいはオンデマンドスライスとスペクトル効率のバランスです。遅延、帯域幅、アップリンク、ダウンリンクなどの機能を完全に最適化することも困難です。こういった5G時代のO&Mの課題に対処するには、AIを活用したネットワークの自律駆動が最適です。
ファーウェイは継続的な革新により、MBB自動化エンジン(MAE)の自律駆動ネットワークを搭載した新しいソリューションを開発しました。5GtoB suiteは、インテリジェントで正確なプラニング、オンデマンドのシンプルなプロビジョニング、予防的なネットワークO&Mを実現します。業界のサービスレベルアグリーメント(SLA)要件との完全な整合、複雑なシナリオでの適応性のある展開、リアルタイムのSLA監視と障害予測を実現し、5G B2B業界におけるデジタル展開を促進します。5G WTTx Suiteは高信頼なサービスプロビジョニングチェック、正確なネットワーク容量警告、容量拡張ガイダンス、ネットワーク評価と回線管理により、5G WTTxサービスのO&M効率を大幅に改善します。PowerStarはAIを活用し、トラフィックに基づいたインテリジェントなキャリア管理、エネルギー効率に基づくリバースMLB(基地局間負荷分散)の省エネ、そしてKPI(主要業績評価指標)に基づく階層的な省エネを実現します。複数周波数バンドと無線アクセス技術の連携的な省エネにより、ネットワークのエネルギー消費を大幅に削減します。商用ライブネットワークのテスト結果から、PowerStarは「1+N」のエネルギー効率および最適なユーザー体験を実現し、エネルギー消費を15%削減し、さらにネットワークトラフィックが10%増加することが確認されています。
5Gは輝かしい未来を約束しています。モバイル業界は来たるべき5Gの黄金時代に向けて、より強力なネットワークを構築し、機会を創出することが求められます。ファーウェイでは「1+N」のシンプルな5Gネットワークと幅広いソリューションをご用意しています。
※ 本参考資料は2020年11月13日(現地時間)に中国上海で発表されたプレスリリースの翻訳版です。