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ファーウェイ、開発者支援プログラム2.0を発表

2019.10.01

ファーウェイ(中国語表記:華為技術、英語表記:HUAWEI)は、同社最大規模のICT業界向け年次イベント「HUAWEI CONNECT 2019」(9月18日~20日、上海世博展覧館)で、今後5年間で15億米ドル(約1,613億円)を投じる開発者支援プログラム2.0を発表し、企業や個々の開発者と連携してコンピューティング産業のエコシステム構築していくことを明らかにしました。また、 KunpengおよびAscendコンピューティングプラットフォームでのソフトウェア開発に向けて、Kunpeng開発キットとAI開発プラットフォームModelArts 2.0も合わせて披露しました。

ファーウェイ開発者支援プログラム2.0を発表

コンピューティング分野のエコシステム構築へ開発者の参加を呼びかける

ファーウェイは2015年に開催した同社初の開発者会議で開発者プログラム1.0を発表して以来、ネットワーク製品やクラウドサービス、Ascend AIコンピューティング、Kunpengコンピューティングなどのオープンソース化を行ってきました。また、世界21か所に設置するオープンラボや開発者コミュニティの構築、開発者向けコンテストの開催、資格認証などの取り組みも進めています。 4年余りの取り組みを経て、130万人の個人の開発者が現在登録されており、14,000社を超える開発企業と協力して製品とソリューションを開発し、お客様に価値を提供しています。

クラウドおよびAI製品・サービス部門CTO 張順茂(パトリック・チャン)は、HUAWEI CONNECT 2019で開発者支援プログラム2.0の5つの重点分野について次のように紹介しています。

・ Kunpeng + Ascendコンピューティングプロセッサをベースとしたオープンなコンピューティング・エコシステムの構築
・ 包括的な開発者イネーブルメントシステムを構築
・ 業界標準、仕様、デモサイト、技術認証システムの開発を推進
・ 業界・地域に特化したアプリケーションを支えるエコシステムの構築
・ KunpengとAscendのコンピューティングリソースを共有し、すべての開発者が利用できるように

開発者プログラム 2.0では、ファーウェイが掲げる「LEADS」(Lab as Service、End-to-End、Agile、Dedicated、Social)の理念のもと、認識‐学習‐構築‐市場投入の4つの開発段階でプロセス、コミュニティ、リソース配分を最適化していきます。 このエンドツーエンドのサポートにより、ファーウェイのプラットフォーム上でのより効率的なソフトウェア開発を支援していきます。 Kunpengサンプルコード、Ascendトレーニングカード、クラウドサービスの利用バウチャー、オープンラボへのアクセス、トレーニングと認定、開発者コンテストなどのリソースも提供し、 独立系ソフトウェアベンダーによるアプリケーションの移行支援、FAE開発支援サービス、マーケティング、ショーケースの構築もサポートしていきます。さらに、ファーウェイは業界の成長を後押しするため、学習、製品開発、市場投入の各段階での開発者支援に向けた基金も設置しました。

Kunpengコンピューティングプラットフォームでのソフトウェアの移行と開発を支援する
Kunpeng 開発キット

ファーウェイTaiShanおよびAtlas部門プレジデント 張煕偉(ジャン・シーウェイ)はKunpengエコシステムについて次のように述べています。 「Kunpengエコシステムは目まぐるしく成長を遂げています。過去9か月で、パートナーの協力により3,000を超える人気アプリケーションがKunpengエコシステムに移行されました。Kunpengは、コードの一行一行に圧倒的な効率を注ぎ込んでいます」

Kunpengは、その革新的な機能により、あらゆる業界のデジタル変革を加速します。

・ マルチコアで並列処理に適したKungpengは、ビッグデータ、分散ストレージ、データベースに適しており、分散ITアーキテクチャへの転換を後押しします
・ Kunpeng + Ascendのコラボレーションにより、5G、AI、自動運転などの新しいテクノロジー向けの多様なAIコンピューティングニーズに応えます
・ 段階のコンピューティングアクセラレーションテクノロジーは、反復型コンパイル、NUMA対応、メッセージキュー処理のためのハードウェアアクセラレーション、アクセラレーション関数のライブラリ、カーネルのスケジューリングの自己最適化により、パフォーマンスを50%向上させます。

ファーウェイの Kunpeng 開発者キットは、コンパイラ群と3つのツールで構成されています。 そのうち、Dependency AdvisorとPorting Advisorは、開発者が命令セットの違いを認識することなく、コンピューティングプラットフォーム間でのアプリケーション移行を自動化・加速できる業界初のツールです。またこれにより、コードの最適化が図れます。チューニングキットは、パフォーマンスの視覚化、ワンタッチによるパラメーター最適化を通じて、開発効率が5倍向上します。開発者は、こうしたツールとナレッジライブラリをKunpeng開発者コミュニティからワンストップで入手できます。さらに、ファーウェイのパブリッククラウドサービス「HUAWEI CLOUD」上の DevCloudにもKunpeng開発者キットが統合されているため、開発者はソフトウェア開発ツールをオンラインで利用できます。

効率的なAI開発プラットフォームModelArts 2.0を発表

ファーウェイ クラウド事業ユニットEI(Enterprise Intelligence)製品部門ゼネラルマネージャー賈永利(ジャック・ジア)は、全面的にアップグレードされたワンストップ型AI開発プラットフォームとしてModelArts 2.0を発表しました。この簡素化された自動化ツールにより、データの準備やモデルトレーニング、モデル管理、モデル推論、展開が飛躍的に改善されます。 ModelArts 2.0は、AI初心者がAIスキルをすばやく習得して使用するためのハードルを大幅に下げます。また、アルゴリズムエンジニア、データエキスパートが基本的なコアアルゴリズムの研究と革新に専念できるよう開発の効率化を実現します。

HUAWEI CONNECT 2019では、『Ascend AI プロセッサアーキテクチャとプログラミング:CANNの原理と応用(昇腾AI处理器架构与编程—深入理解CANN技术原理及应用)』という専門書が中国国内で発行されることも発表されました。上海交通大学コンピューターサイエンスおよびエンジニアリング学部教授であり、博士課程の指導者である梁暁嶢氏によって編纂されたファーウェイ初の専門書で、今後さらにAI分野の人材開発を促すために参考書第2弾としてインテリジェントコンピューティングシリーズの出版が計画されています。HUAWEI CONNECT 2019にはLinux 財団 エグゼクティブディレクター ジム・ゼムリン氏(Jim Zemlin)も登壇し、Linuxは一貫して多様なコンピューティング開発の力強い支援者であり、Linux財団はファーウェイと共に多様性に富むコンピューティング業界の成長を促していきたいと語りました。

HUAWEI CONNECT について
HUAWEI CONNECT は、ファーウェイがICT業界向けに開催する最大規模の年次イベントです。今年は「Advance Intelligence(インテリジェンスを新たな次元へ)」をテーマとし、9月18日から20日まで上海で開催されました。オープンな協業と成功の共有という理念のもと、パートナーやお客様がインテリジェントな未来に向けた新たなビジネスチャンスを探究する場を提供しています。イベント公式サイト(英語)では会期中の基調講演映像や講演資料を公開しています。
https://www.huawei.com/en/press-events/events/huaweiconnect2019

※本参考資料は2019年9月20日(現地時間)に中国・上海で発表されたプレスリリースの翻訳版です。

※1米ドル=107.55で換算(2019年9月20日現在)