ファーウェイ、5Gの迅速な実現へ向けて「Simplified 5G」戦略を発表
ファーウェイ(中国語表記:華為技術、英語表記:HUAWEI)は2月20日、MWC Barcelona 2019に先駆けて、英国・ロンドンでメディア・アナリスト向け事前ブリーフィングを開催し、5Gの迅速な実現へ向けて「Simplified 5G (5Gをシンプルに)」戦略を発表しました。ファーウェイはネットワークのシンプル化、自動化、ビジネスのシンプル化が将来のモバイルネットワークの発展の方向性になると確信しています。
私たちはいま、5Gのネットワークと端末が大規模な商用展開に向けて同時に成熟化するという、歴史上初めての時代を迎えています。3G時代には、スマート端末が成熟したのはネットワークから遅れること約5年、4G時代には約2年でした。しかし現在、産業エコシステムがモバイル通信の歴史においても類を見ないほど急速に発展していることで、5Gの発展は迅速に進むでしょう。ユーザー数が5億人に達したのは3Gが10年以内、4Gが5年以内でした。5Gではわずか3年でこのユーザー数に達すると予測されています。
ファーウェイ ワイヤレスソリューション部門 最高マーケティング責任者である周躍峰(ピーター・ジョウ)は、次のように強調しています。 「5Gはかつてないほど急速な発展を遂げるでしょう。ファーウェイは複雑な課題は自社で引き受け、お客様にはシンプルさをお届けすることに注力しています。体系的なイノベーションを通じて5G展開の効率性と利便性を実現し、5Gの迅速な展開を支援していきます」
ファーウェイ ワイヤレスソリューション部門 最高マーケティング責任者 周躍峰
ネットワークのシンプル化が5Gの迅速・スムーズな発展を実現
5G時代のマルチRATネットワーク(2G/3G/4G/5G)は複雑で保守が困難なため、ネットワークの運営管理(O&M)コストが高くなると予想されています。そのため、音声、IoT、データ通信などの基本的なサービスはLTEネットワークに移行し、LTEを基本サービスを支えるネットワークとして利用する必要があります。将来的にはネットワークを「LTE+NR」に進化させることで、RATのシンプル化が可能になります。
ファーウェイはこうしたなか、通信事業者による基地局展開を支援するスーパーブレードサイトソリューションを発表しました。従来の基地局には、広い敷地、高額な賃料、高い消費電力、複雑なO&Mという課題があります。新ソリューションはこれらの課題を解決すると同時に、既存の基地局リソースをフル活用し、基地局展開の効率向上を実現します。完全屋外型のモジュラー設計により5G時代の基地局展開をより容易にできるほか、設置スペースが不要になることで、通信事業者の基本リソースへの依存度を軽減し、迅速な5G展開を支援すると同時に基地局のTCOを大幅に削減できます。
自動駆動モバイルネットワークに向けた一連のネットワーク自動化ソリューション
ファーウェイはまた、2018年11月に自動駆動モバイルネットワーク構築に向けたアーキテクチャを発表しました。このアーキテクチャを利用することで、モバイルネットワークの手動による操作を減らすことができます。
今回の事前ブリーフィングにおいて、ファーウェイはMBB自動化エンジン(MBB Automation Engine、 MAE)と強力なコンピューティング能力を備えた基地局など、自動駆動モバイルネットワークに向けた一連のソリューションを発表しました。MAEはモバイルネットワークの頭脳として、ネットワークエレメント指向のO&Mからシナリオ指向のO&Mへの移行に加え、シンプルなネットワーク管理からネットワーク管理と制御の統合への移行も実現します。強力なコンピューティング能力と正確なネットワーク管理能力を備えた基地局は、ネットワーク性能を継続的に改善し、モバイルネットワークの自動駆動をスムーズに実現します。
ビジネスのシンプル化により、5Gビジネスの成功を支援
5Gの初期段階において重要となる高速大容量の通信サービスは、成熟した4Gビジネスモデルの継続・発展によって実現するものであることは間違いありません。ここでは、データ通信量が無制限のサービス、ワイヤレスホームブロードバンド、クラウドXという3つのビジネスの形が注目されています。
現在、世界の通信事業者のうち70%がデータ通信量が無制限のサービスを提供し、そのうち40%の通信事業者がARPUの上昇を確認しています。こうしたなか、「データ通信量の無制限」時代には速度や遅延などのネットワーク体験とサービス体験の差別化が求められることになります。
ワイヤレスホームブロードバンドビジネスは、すでに4G時代において成功が証明されています。2018年には、ユーザー数が約3,000万人増加しており、5G時代には最盛期を迎えるでしょう。
さらに、高速大容量の通信サービスは5G時代においても継続的なイノベーションが進められています。クラウドVR/AR、クラウドPC、クラウドゲームなどの「クラウドX」サービスはネットワークを通じて各種端末とクラウドに接続され、スマート端末、広帯域な通信ネットワーク、クラウドアプリケーションなどの新たなサービスを実現します。
将来的に5Gはあらゆる産業のデジタル化を実現し、通信事業者の収益源を拡大します。ファーウェイは現在、同社のワイヤレスXラボを通じて世界各地の280以上のパートナーと連携し、IoV(Internet of Vehicles)、コネクテッドドローン、スマート製造分野におけるアプリケーションを積極的に探究しています。
ファーウェイは2 月25~2 月28 日までスペイン・バルセロナで開催中の「MWC 2019」において、最新の製品・ソリューションをFira Gran Viaのホール1(ブース番号1H50)、ホール3(3I30)、ホール4(イノベーションシティゾーン)、ホール7(7C21、7C31)で披露します。B2B事業の展示に関する詳細はMWC 2019特設サイト(英語、http://www.huawei.com/mwc2019/)をご覧ください。
※本参考資料は2019年2月20日(現地時間)に英国・ロンドンで発表されたプレスリリースの翻訳版です。