ファーウェイ、エンドツーエンドの5G製品・ソリューションを発表
ファーウェイ(中国語表記:華為技術、英語表記:HUAWEI)は、2月26日から3月1日までスペイン・バルセロナで開催されたMobile World Congress (MWC) 2018で、3GPP規格に準拠したエンドツーエンドの5G製品・ソリューションを発表しました。ファーウェイ 5Gプロダクトライン プレジデント 楊超斌(ヤン・チャオビン)により発表された5G製品・ソリューションはコアネットワーク、ベアラネットワーク、基地局、端末を含み、3GPP規格に完全に準拠するうえ、網羅的で、すべてのシナリオに対応したクラウドベースの製品・ソリューションであることを特徴とします。また、コアネットワークから端末まで5Gをエンドツーエンドで支える業界唯一の製品・ソリューションです。
エンドツーエンドの5G製品・ソリューションを発表
5G基地局: あらゆるシナリオの展開要件に対応する幅広い形態と、ユビキタスなxGbpsのユーザー体験
5Gは当初、人口の密集する都市エリアやビル内で展開されると見込まれています。複雑な基地局の設置シナリオから生まれるさまざまなニーズに対応し、途切れのないカバレッジを提供しつつ屋内外のアクセスポイントの通信容量への要件を満たすためには、多様な形態の基地局が必要です。ファーウェイが新たに発表した幅広い5G製品ソリューションは、ミリ波、Cバンドに加えて、3 GHzより低いすべての周波数帯にも対応しています。さらに、タワー型、ポール型、スモールセル型など、あらゆる形態の基地局に対応します。
ファーウェイはまた、Cバンドに対応する64T64Rおよび32T32Rの Massive MIMO AAU(Active Antenna Unit)を発表しました。ユビキタスなGbps体験を提供するこのMassive MIMO AAUは、200MHzの広帯域と3Dビームフォーミングに対応しており、ビルを含む均一なカバレッジを提供できるほか、多様な展開シナリオに応えます。さらに、カバレッジを柔軟に調整して、基地局に近い地点と遠い地点でのユーザー体験を最適化することも可能です。これにより、ネットワーク容量は20~30倍に向上します。mmWave対応製品は1GHz帯域幅に適しています。アンテナポートの等価等方放射電力は業界最高の65dBmに達します。
統合型のコンパクトな軽量設計を特徴とするファーウェイの無線製品は、アンテナを設置するプラットフォームに求められる要件を大きく緩和し、エンジニアリング面の複雑さを軽減します。さらに、集中型無線アクセスネットワーク(C-RAN)と分散型無線アクセスネットワーク(D-RAN)の展開における幅広いシナリオに対応し、光インターフェース速度は25Gbps未満と、大規模5G展開にも理想的です。
また、新たに発表されたCバンドとmmWave向けのコンパクトな5G Massive MIMO製品は、街灯ポール上に設置することができます。これにより、カバレッジホールを塞ぎ、アクセスポイントの容量を強化できます。また、5G LampSiteは4Gとの下位互換性を有し、ケーブルの調整や基地局の追加をすることなく、既存のCAT6Aネットワークケーブルや光ファイバーケーブルを使用して、屋内で4Gと5Gを同時展開できます。
5G時代の無線基地局は、D-RANとC-RANのハイブリッドなネットワーク構築シナリオのもとで展開されます。ファーウェイは分散型基地局に適したBBU5900と、集中型基地局に適したCBU5900を発表しました。BBU5900は現在業界随一の高い統合性を備えた基地局ソリューションです。すべての無線アクセス技術(2G、3G、4G、5G)とすべての周波数帯に対応し、50Gbpsのバックホール容量を提供することで、5Gサービスの長期的な展開ニーズに応えます。CBU5900はC-RANアーキテクチャに対応するため多数のベースバンドユニットを集中展開できる点が特徴です。CBU5900を使用することで、リモートサイトを簡易化でき、空調管理を要するマシンルームの必要数が抑えられ、ネットワーク全体を通じた迅速な衛星クロック同期が可能となります。また、保守や設置に際して基地局まで出向く回数を減らせるうえ、基地局の将来的な保守・拡張コストも大幅に軽減できます。加えて、大規模な緊密連携により、ネットワーク全体のパフォーマンスも向上します。
5Gベアラネットワーク: 5Gマイクロ波およびIP RANを用いたアクティブ/パッシブな幅広いソリューションで、5Gの超大容量要件に完全対応
5Gネットワークでは基地局への伝送容量として10GE(gigabit ethernet)、光ファイバーケーブルからアクセスリングへの伝送容量として50 GE/100 GEが求められ、複数の5G高速大容量サービスに耐えうる超大容量要件を満たす必要があります。C-RAN展開シナリオでは、集中型マシンルームと基地局間で100Gbpsの伝送速度が求められますが、これは通信事業者のモバイルベアラネットワークにとって非常に大きな課題となります。ファーウェイは多様なシナリオに対応し、異なるメディアを活用した多彩な形態の幅広い5Gベアラ製品を提供します。バックホールシナリオで従来のマイクロ波周波数帯を使用した場合、5Gマイクロ波シリーズ製品は10Gbpsの高速データ転送と25マイクロ秒の低遅延を実現します。50GE/100GE適応型スライシングルーターは、10GEから50GE、100GEへのスムーズな移行をサポートするため、通信事業者はオンデマンドな展開が可能となります。アクティブなフルアウトドア(FO)光伝送網(OTN)フロントホールソリューションは最大15チャネルのサービスアクセス、ヒットレス切替、複数サービス向け統合アクセスに対応します。集中型の波長分割多重(WDM)フロントホールソリューションは革新的な波長無依存の光モジュールを採用しており、基地局設置や運用・保守(O&M)を簡易化します。ファーウェイX-Haul 5Gベアラソリューションは、IP、OTN、マイクロ波などの複数技術に対応し、大規模5G展開に際して通信事業者が抱えるベアラネットワーク上の問題を解決します。
5Gコアネットワーク: オールクラウドアーキテクチャ、オンデマンド展開、スムーズな移行を通じて業界全体のデジタル化を実現
ファーウェイの5Gコアネットワークはオールクラウドアーキテクチャをベースとして、マイクロサービスセントリックアーキテクチャ(MCA)を採用しました。これにより2G、3G、4G、5Gに同時対応し、ノンスタンドアロン(NSA)からスタンドアロン(SA)へのスムーズな移行を実現します。同時に、従来のネットワークアーキテクチャとは異なり、ファーウェイの5Gオールクラウドコアネットワークは制御プレーンとユーザープレーンの分離(CUPS)をベースとした分散型アーキテクチャを採用しています。これにより、制御プレーンを中央データセンターに展開し、ユーザープレーンをサービスシナリオに応じて柔軟に展開できます。例えば、拡張現実(AR)や仮想現実(VR)、WTTxを介した高画質IP放送などの5Gの高速大容量を活かしたサービスでは、ユーザープレーンをネットワーク末端に展開することでバックボーンネットワークのラウンドアバウトトラフィックを最小化でき、超低遅延、輻輳除去を実現できます。さらに、オールクラウド5Gコアネットワークはネットワークスライシングの基盤となります。5G時代の新たなビジネスモデルを支えるネットワークスライシングは、単一の通信ネットワークによる多様なサービス展開を支援します。これにより、消費者から垂直産業までをカバーしたビジネス変革が可能となると同時に、業界全体のデジタル化を促すことがきます。
5G端末: 小型、低消費電力で、家庭向け無線ブロードバンドに光ファイバー並みのアクセス体験を提供する世界唯一の商用端末
ファーウェイはMWC 2018で、幅広い5G端末も発表しました。ファーウェイの5Gユーザー宅内装置(CPE)は3GPP規格とチップセットアーキテクチャをベースに開発されました。世界最小の5G商用端末である本製品は小型で消費電力が低く、可搬性に優れ、Cバンドとミリ波に対応しています。すでに韓国・ソウルとカナダではユーザーがファーウェイの5G商用端末を体験するトライアルも行われており、3.5GHzとミリ波を利用した家庭向け無線ブロードバンドにおいて2Gbpsを超える光ファイバー並みの体験が可能です。ファーウェイはさらに、5G対応スマートフォンの展開を2019年に予定しています。
2018年は5G時代の幕開けと記憶される年となります。ファーウェイは、今回発表したエンドツーエンドの5G製品・ソリューションを活かし、中国、韓国、カナダ、ドイツ、イギリス、イタリアなどの10か国以上ですでに5Gの展開を開始しています。人口密度の高い典型的な都市部において、広範にわたりギガビットクラスの通信速度を達成し、屋内でも数百メガビットのユーザー体験を実現したほか、20 Gbpsを超えるセル容量を確認しました。
世界の大規模な5G商用運用開始に向けたカウントダウンは、すでに始まっています。ファーウェイは業界随一の総合的なサポート体制を整え、通信事業者を支えていきます。
ファーウェイはMWC 2018で、Fira Gran Via のHall 1(ブース番号1J50、通信事業者向けネットワーク製品・ソリューション)、Hall 3(ブース番号3130、スマートデバイス製品)、Hall 4 Innovation Cityゾーン(ワイヤレスXラボ)で展示しました。
※本参考資料は2018年2月26日(現地時間)にスペイン・バルセロナで発表されたプレスリリースの翻訳版です。