ファーウェイとボーダフォン、5Gでの利用が期待されるEバンドを用い、屋外フィールドテストでSU-MIMO技術により20Gbpsを達成
ファーウェイ(中国語表記:華為技術、英語表記:HUAWEI)とボーダフォン(Vodafone)は7月21日、英国・ニューベリーにあるボーダフォンの施設において、ミリ波を用いた第5世代移動体通信(5G)技術に関するフィールド・テストを完了しました。同テストでは、強力な反射があるパス環境でのシングルユーザーMIMO(SU-MIMO)技術により、最大20ギガビット/秒の通信速度を達成したほか、マルチユーザーMIMO(MU-MIMO)技術により距離の離れたユーザー端末で最大10ギガビット/秒を達成しました。今回のフィールド・テストは世界初の Eバンドを用いた5G技術に関する屋外フィールド・テストであり、高い周波数利用効率により、国際電気通信連合 無線通信部門(ITU-R)が5Gの要件として掲げる最大20ギガビット/秒という通信速度を単一のユーザー端末で達成しました。今回の結果は、両社が昨年および今年7月に締結した5G技術に関する覚書につづく重要なマイルストーンになりました。
モバイル通信におけるトラフィック急増を受けて、通信事業者はより大容量の接続とセルフ・バックホール機能を実現するための周波数へのニーズに加え、来るべき5Gネットワークでは超高速スループットを実現するというより大きな課題に取り組む必要に迫られています。こうしたなか、現在の移動体通信で利用されている低周波数帯がさらに逼迫するにつれ、業界ではセンチメートル波(cmWave)やミリ波(mmWave)の周波数帯を活用してブロードバンドの速度要求に応えようとする動きが活発になっています。今回のフィールド・テストは5Gにおける高度モバイル・ブロードバンド(enhanced mobile broadband)での利用を想定した6GHz以上の周波数帯活用に関する研究に貢献するとともに、2019年に開催予定の世界無線通信会議(WRC-19)でグローバルでの周波数利用の足並みを揃えることにもつながる見込みです。
Eバンドはミリ波(mmWave)に属する周波数帯であり、低周波数帯を補完して超高速モバイル・ブロードバンド体験を実現することが期待されています。特に、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)などの新たなアプリケーションのほか、5Gモバイル・サービス・トラフィックのセルフ・バックホールとしての活用も可能です。
ボーダフォン・グループ CTOのヨハン・ウィベルイ(Johan Wibergh)氏は次のように述べています。 「今回の屋外でのフィールド・テストは、高周波数帯での5Gのパフォーマンスを検証する上で重要なステップであり、こうした技術の可能性への理解を深めることができました」
ファーウェイ 輪番CEO兼取締役副会長である徐直軍(エリック・シュー)は次のように述べています。「5Gでは、すべての周波数帯を活用してAR、VR、スマート・カーやその他の未知の新しいサービスに対応していきます。実際の無線伝搬環境における5G向けミリ波を用いた接続性と、異なる無線リンクの共存を検証した今回の共同トライアルは、今後に向けて励みになる成果となりました。ボーダフォンとの協力は非常に価値あるものであり、当社は同社やその他の産業パートナーとともに5Gのさらなる発展を実現していきます」
※本参考資料は2016年7月21日(現地時間)に英国・ロンドンで発表されたプレスリリースの翻訳版です。