ファーウェイ、MWC上海2016でE2EのNB-IoTソリューションを発表
2016年末までに大規模商用展開の予定
ファーウェイ(中国語表記:華為技術、英語表記:HUAWEI)は6月30日、Mobile World Congress (MWC)上海2016で開催されたIoTサミット(6月30日、ケリーホテル 浦東上海)において、世界各国の通信事業者による新たなIoTサービス提供を支援するエンド・ツー・エンドのNarrow-Band IoT(NB-IoT)ソリューションを披露しました。ファーウェイは、将来の大規模商用化に向け、技術面と事業面で総合的なサポート・サービスを提供し、今後IoTが通信事業者による基本的なサービスのひとつとして確立されるよう後押ししていきます。
本NB-IoTソリューションは2016年9月から提供可能で、2016年第4四半期の大規模な商用トライアルを経て、2016年12月後半には大規模商用利用に向けたバージョンの提供を開始する予定です。
通信事業者によるIoTサービスをエンド・ツー・エンドで支える本NB-IoTソリューションは、ファーウェイのLiteOSおよびNB-IoTチップセットで実現するスマート・デバイス・ソリューション、NB-IoTへのスムーズな進化が可能なLTE無線基地局(eNodeB)、1つの装置でコア・ネットワークとNFVを柔軟に展開可能なIoTパケット・コア、ビッグデータ処理機能を備えたクラウド・ベースのIoT接続管理プラットフォームなどを装備しており、低消費電力の広域ネットワークLPWA (Low Power Wide Area)を活用したIoTサービスに対する通信事業者のニーズに対応すべく設計されています。3GPPの標準規格に基づいて開発されており、多様な産業や環境における柔軟なネットワーク構築が可能です。また、本ソリューションで提供するデバイス・ソリューションやプラットフォームは、NB-IoT対応デバイスやアプリケーションを提供するパートナー企業にも簡単に利用してもらえるため、迅速なビジネス・イノベーションやシナリオ・ベースのカスタマイズが実現できます。
ファーウェイ プロダクト・ソリューション グループ マーケティング・ソリューション部門 バイス・プレジデントである蒋旺成(ジャン・ワンチェン)は次のように述べています。「今後3年から4年で、世界のセルラーIoTを介した接続数は7倍に成長すると予想されています。NB-IoTはこうした産業動向を牽引する重要な要素となることが見込まれており、通信事業者各社にとっては未開拓の重要な市場でもあります。ファーウェイは昨年、同社のIoT戦略として『1+2+1』を発表しました。まもなく商用展開される今回のエンド・ツー・エンドのNB-IoTソリューションは、当社のIoT戦略を支えるものであると同時に、IoTアプリケーションの商用化を推進するものです。ファーウェイは確かな産業エコシステムの構築も進めており、顧客である通信事業者やそのパートナー企業各社とともに新たな事業領域を開拓していきます。IoTが本格化する新たな時代を向かえるにあたり、ファーウェイはお客様のニーズを支える準備が整っていると自負しています」
今回、発表したエンド・ツー・エンドのNB-IoTソリューションは、ファーウェイの「1+2+1(1つのIoT OS、2つの接続方式、1つのプラットフォーム)」IoT戦略の一環として、通信事業者によるIoTサービス向けに下記のような価値を提供します。
- NB-IoT向け迅速なフル・カバレッジを保証: 本ソリューションは通信事業者のIoTインフラストラクチャに焦点を当てています。SingleRANアーキテクチャにより、通信事業者は自社のネットワークを進化させ、ネットワーク費用を削減できるとともに、各社が世界各地で展開する通信ネットワーク上でNB-IoTによる接続を提供することができます。また、NFVベースのクラウド・アーキテクチャを採用することで、IoTパケット・コアは物理ネットワーク・エレメントを柔軟に展開可能となっており、これによりサービス展開までの期間を短縮できるほか、運用・保守の負荷の低減、省エネを実現します。
- 産業特化型のスマートNB-IoTデバイスを実現: ファーウェイのIoT向けOS「LiteOS」は、開発者が直接起動可能な低消費電力のプロトコル・スタックを提供します。このLite OSはファーウェイ製、他社製かを問わずNB-IoTチップとIoTプラットフォームと連携することが可能なため、NB-IoT対応スマート・デバイスの市場投入までの期間を短縮することができます。
- 産業特化型アプリケーションの可能性を広げ、IoT接続による価値を最大化:ファーウェイのクラウド・ベースのIoT接続管理プラットフォームは、IoTエージェントにより産業特化型アプリケーション向けにオープンな接続管理、ビッグデータ処理機能を提供し、これらを活用した通信事業者やパートナー企業によるオープンなイノベーションを可能とします。これらの機能により、各産業セクターにおける迅速なNB-IoT導入を支援すると同時に、通信事業者や各産業のお客様にとってのIoT接続による価値を最大化します。
ファーウェイは技術的イノベーションの追求や先進的ソリューションの開発に加え、IoT産業を発展させるという目標のもと、NB-IoT技術の利活用を支える産業エコシステムの構築にも積極的に取り組んできました。これまでに、通信事業者によるNB-IoTオープン・ラボの設置を支援し、NB-IoT対応スマート・デバイスやアプリケーションの開発を促進しています。また、2016年第3四半期には、開発者がインターネットを介してNB-IoTラボにアクセスし、遠隔地から技術開発や検証が可能となるソフトウェア・スイート「SoftRadio」を発表予定です。また、開発者がオープン・ラボにアクセス、使用するための詳細なガイダンスとサポートを提供するホワイト・ペーパーも発表予定です。
ファーウェイは、IoT市場における事業展開においても大きな進捗を遂げています。NB-IoTに関する標準規格が確定される以前より、世界中のパートナーとともにプレNB-IoT技術を用いたサービスやアプリケーションの検証を行い、お客様のニーズに応えるとともに、各産業向けイノベーションを加速し、技術を最適化するために尽力してきました。2016年上半期だけでも、中東、アフリカ、アジアにおける大手通信事業であるエティサラートと共同でスマート・パーキング・サービスおよびアプリケーションをテストしたほか、オーストラリアでは上下水道会社であるサウス・イースト・ウォーター、通信事業者であるボーダフォン・ハチソン・オーストラリアならびにオプタスと協力し、NB-IoTソリューションを活用したスマート・ウォーター・マネジメント・システムを検証しています。また中国ではチャイナ・テレコム(中国電信)および深圳水務集団とスマート・ウォーター・マネジメントの実現に向けた戦略提携に合意しています。
ファーウェイは、MWC上海の同社IoT展示ブースにおいて、NB-IoTソリューションの技術的な詳細のほか、活用シナリオ、商用化に向けた計画などを総合的にご紹介しました。
※本参考資料は2016年6月30日(現地時間)に中国・上海で発表されたプレスリリースの翻訳版です。