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グローバル・イノベーション・インデックス2014年度版、アジア諸国の結果を発表

2014.11.20
グローバル・イノベーション・インデックス2014年度版、アジア諸国の結果を発表

アジアが引き続き世界のイノベーションの原動力に

米コーネル大学、仏INSEAD、世界知的所有権機関(WIPO)が共同で発表し、世界143か国のイノベーション力の相対的な指標として知られるグローバル・イノベーション・インデックス2014年度版(英語版)(以下、GII 2014)によると、アジア経済は世界で最も革新的な市場の5分の1を占め、引き続き世界のイノベーションの原動力となっています。イノベーションを牽引する国としてアジアから世界のトップ10ランキングに入ったのはシンガポールと香港で、韓国、日本、中国、マレーシアがその後に続きました。ファーウェイはイノベーションをグローバルに推進する継続的な取り組みの一環として2013年度版よりGIIのナレッジ・パートナーとしてレポートの作成に寄与しており、今年度のレポートには当社の輪番CEO兼取締役副会長 胡厚崑(ケン・フー)が序文を寄稿しました。

2007年にGII初版が発表されて以来、GIIの上位ランキングは高所得国が占めてきましたが、中国やマレーシアなどの上位中所得国が上位にランクインするという兆候が見られています。4年連続でスイスが世界ランキング1位を維持しているものの、対前年比で最も大きく順位を上げたのは中国で、2013年度の35位から2014年度には29位へと大幅に上昇しています。

世界経済が回復の兆しを見せる中、各国は成長維持と雇用創出に重点を置くようになっています。特にアジア諸国はイノベーションへの投資を増加するとともに、より多くの従業員にトレーニングの機会を提供し、高いアウトプットと持続的成長を達成しています。中国、タイ、モンゴルは、生産性を高めるために従業員に本格的なトレーニングを提供するという点で世界をリードしています。これは、今年のGIIのテーマである「イノベーションにおける人的要因」の重要性を裏付けています。

2014年度 アジア・ランキング

コーネル大学教授であり、このレポートの主著者の1人であるソウミトラ・デュッタ(Soumitra Dutta)氏は、GII 2014の結果について次のように述べています。「GIIは、イノベーションの競争力に関する国際研究において主要指標になりました。官民のリーダーはGIIから得られる洞察を自国のイノベーション力の向上や競合する国・地域との実績比較に活用することができます」

ファーウェイのチーフ・サイエンティスト李三琦(リ・サンチ)は次のように述べています。「イノベーションは新しい形の教育を生み出します。オンライン授業やインタラクティブな教授法を通じ、科学に関するトピックへの関心を高めることで、エンジニアをはじめとする人材のスキル・ギャップを埋めることができます。今後数年間で、学習者が学びを続ける過程でそのニーズに柔軟に適応していくインテリジェントな学習システムが登場し、教育全体が大きな変化を遂げるでしょう」

アジアにおけるイノベーション効率

GII 2014では、イノベーションへのインプットのレベル(社会制度、人的資本、研究開発投資など)と、イノベーションのアウトプットのレベル(オンラインおよびオフラインで提供される独創的な商品やサービスなど)を比較し、各国の「イノベーション効率」を算出しています。

2014年のアジア諸国のイノベーション効率

中国、モンゴル、ベトナム、インド、マレーシア、タイは、社会制度や大学、その他の社会インフラの改善により、イノベーションのアウトプットが上昇しています。

また、このレポートのいくつかの章では、イノベーションと生産性を高める主要な手段としてのスキル向上の重要性についても議論しており、人的資本の蓄積が一国のイノベーション力にいかに影響するかを解説しています。さらに、人的資本の乏しい企業では研究開発は概して利益を生まないこと、トレーニングと教育により技術の普及プロセスが加速することも指摘しています。

2014年のインデックスにおけるアジアに関する主なデータ

  • l 従業員に本格的なトレーニングを行っている企業の割合は、全世界で中国が最も高く、タイが2位、モンゴルが7位となっています。
  • l GDPあたりの特許申請数を見ると、韓国(1位)、日本(2位)、中国(3位)が全世界で上位3か国を占めています。
  • l 全貿易の中でのクリエイティブな商品の輸出の比率を見ると、全世界で中国(1位)、マレーシア(4位)、タイ(6位)、シンガポール(10位)の4か国が上位10か国の中に入っています。
  • l PISA(Programme for International Students Assessment:生徒の学習到達度調査)の読解力、数学、科学の調査結果を指標とする中等教育のレベルは、世界の上位5か国をすべてアジアの国々が占めています。中国が1位で、シンガポール、香港、韓国、日本と続きます。
  • l 全輸入におけるハイテク製品の輸入比率が高い国・地域については、アジアが上位10か国中5か国を占め、香港(1位)、マレーシア(2位)、シンガポール(5位)、ベトナム(7位)、中国(8位)となっています。
  • l 高等教育への進学の上昇率が最も高いのはアジアであり、中国がトップです。また、中国は高等教育制度だけでなく、研究制度も拡大しています。

グローバル・イノベーション・インデックスについて

グローバル・イノベーション・インデックス(GII)は、米コーネル大学、フランスのビジネス・スクールINSEAD、世界知的所有権機関(WIPO)が共同で発行しているもので、今年で7回目の発行となります。

このレポートではさまざまなテーマの81の指標を用い、世界の143の国・地域をカバーしています。これは、世界人口の92.9%、世界GDPの98.3%(※現在の米ドル換算値ベース)に相当します。GIIのレポートは、世界の国々のイノベーション力とその結果に関するランキングを中心に構成されています。経済成長と繁栄の原動力としてイノベーションが重要な役割を果たし、イノベーションに対する先進国と新興国の双方に適用可能な広い視野に基づくビジョンが必要であるとの認識に立ち、GIIはイノベーションを研究開発のレベルといった従来型の測定項目を超える指標で測定しています。

世界的なイノベーションに関する議論をサポートし、政策の道しるべとなるよう優れた取り組みを紹介するには、イノベーションとそれに関連する政策の実績を評価する指標が必要となります。こうしたことを踏まえ、GIIは以下のような手法を通じ、イノベーションに関連する要素を継続的に評価するための環境を確立しています。

  • l 81種類の指標を使用した、143か国に関する各種データ、ランキング、強み、弱みの分析
  • l 30の国際機関や民間機関から得られた指標をまとめ、81種類のデータ表を作成(うち56はハード・データ、20は複合指標、5つは質問形式の調査 )
  • l GIIおよびサブ・インデックス(アウトプットとインプット)のランキングの90%信頼区間、ランキングの年度ごとの変動に影響を与える要因の因子分析など、透明性と反復性のある計算手法による分析

欧州委員会ジョイント・イノベーション・センターによる独立した統計監査を受けた本レポート 完全版は以下よりダウンロードできます。

https://www.globalinnovationindex.org/content.aspx?page=GII-Home

※本参考資料は2014年11月18日(現地時間)に中国・深センで発表されたプレスリリースの翻訳版です。