ファーウェイ、ドコモが主導するネットワーク機能仮想化の実証実験に成功
ファーウェイ(中国語表記:華為技術、英語表記:HUAWEI)は、このたび、株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)が主導するネットワーク仮想化技術に関する実証実験(※1)に参画し、成功したことを発表しました。
仮想化技術を用いてコア・ネットワーク機能を汎用サーバー上で動かすNFV(Network Function Virtualization:ネットワーク機能の仮想化)は、通信事業者による柔軟な通信サービス展開とネットワークの構築・運用コスト削減を可能にする技術として有望視されています。ファーウェイは今回の実証実験において、LTEのデータ通信機能を担うEPC(Evolved Packet Core)のソフトウェアに仮想化技術を適用したvEPC(仮想進化型パケット・コア)(※2)とOpenStackベースのクラウドOS「FusionSphere」(※3)、 管理およびオーケストレーション・システムの「MANO」(※4)について日本電気株式会社(NEC)との相互運用試験を実施し、処理能力を増大させる機能やハードウェア故障時にも安定的にデータ通信を継続する機能の確認を行いました。
NTTドコモ 取締役常務執行役員である尾上 誠蔵氏は、今回の実証実験の成功について次のように述べています。「NFVは単なる幻想で終わることなく、モバイルネットワーク業界の協力により実現に向けて着実に前進しています。ファーウェイをはじめとした業界をリードするプレイヤーとのマルチベンダ環境でのNFVの実現性を確認できたことは大変喜ばしいことです」
また、ファーウェイ専務取締役兼プロダクト・ソリューション担当プレジデント 丁耘(ライアン・ディン)は、ドコモとの今後の協業と標準化に向けた意気込みを次のように述べています。「NFVはファーウェイの技術戦略において重要な位置を占めるものであり、今後、注力していく技術分野の一つです。今回のドコモとの実証実験が業界におけるNFVの標準化および商用化に貢献するものと確信しています。ETSI NFV Industry Specification Groupの主要メンバーかつOpen Platform for NFVの創設メンバー17社の一社として、ファーウェイは今後もNFVへの投資を拡大するとともに、ドコモをはじめとする通信事業者との協力を深め、NFVの標準化および商用化に向けた取り組みを加速していきます」
ファーウェイは、これまでに世界の主要通信事業者と30以上のNFVに関する実証実験を重ねています。米国の調査会社であるカレント・アナリシス(Current Analysis)によると、ファーウェイは通信事業者各社よりNFVソリューション分野におけるトップ・サプライヤーとして評価されています。調査に回答した通信事業者100社のうち、67%がNFV展開においてもファーウェイのソリューションを選択すると回答しています。(※5)
今回のコラボレーションを踏まえ、ファーウェイは今後も日本の環境に適したより高品質な通信サービスの実現に尽力するとともに、NFV技術の標準化および商用化に貢献していきます。
※1 実証実験: 概念実証実験(PoC, Proof of Concept)。新たな概念の実現可能性を示すための実験を指す。
※2 vEPC(仮想進化型パケット・コア): ファーウェイのEPC向け仮想化ソフトウェア。クラウド・コンピューティングに適したアーキテクチャを備え、通信事業者にリソースの効率化やサービスの柔軟な拡張といったメリットをもたらす。また、NFVインフラストラクチャに依存しない信頼性を実現する。
※3 FusionSphere クラウドOS: OpenStackベースの仮想化レイヤーで、キャリア・グレードのパフォーマンスと高信頼性、容易なメンテナンスを特徴としている。
※4 MANO(Management and Orchestration): ETSI NFV ISGにおいて定義されている管理およびオーケストレーション機能
※5本調査結果は調査会社カレント・アナリシスの以下のウェブサイトでご覧いただけます。
www.currentanalysis.com/t/2014/SDNsurvey.