ファーウェイ、上海のR&Dセンターを新キャンパスへ移転
世界トップレベルの施設で革新的な
次世代ワイヤレステクノロジーの開発能力を強化
本参考資料は2010年5月20日(現地時間)に中国・深圳で発表されたプレスリリースの翻訳版です。
世界の通信事業者向け次世代通信ネットワーク分野で業界をリードするファーウェイ(中国語表記:華為技術、英語表記:Huawei)は5月20日、上海にある既存のワイヤレスR&Dの業務を、より広い最新施設へ移転したと発表しました。8,000人の社員を収容し、その9割が研究開発に従事する新しいR&Dセンターでは、ワイヤレス・システム設計、業界標準、ソフトウェア、ハードウェア、アルゴリズムの開発が重点的に行われる予定です。ファーウェイは、高度なモバイル・ブロードバンド・サービスへの需要増加に伴うビジネス上の課題を解決しようとする通信事業者に向けて、次世代のワイヤレス・ソリューションを開発しており、今回の移転はこうしたソリューションへの継続的な投資の表れでもあります。なお、総工費約3億4千万米ドルの同センターは、北米、欧州、インド、中国など、世界17カ所に展開するファーウェイのグローバルR&Dセンター・ネットワークの1つとして機能します。
新キャンパスは、5月初旬に開幕した上海万博(2010 Shanghai World Expo)の5.28平方キロメートルの会場敷地において、ファーウェイが世界初の商用TD-LTE/SAE試験ネットワークをチャイナ・モバイル向けに展開した直後に稼働を開始しました。なお、このチャイナ・モバイル向け試験ネットワークの下り最大通信速度は29Mb/sで、既存の3Gネットワークの10倍に達し、上海の新施設を含むR&Dセンターが開発した先進技術を実証しています。
1996年に開設されたファーウェイの旧上海R&Dセンターは、GSM、CDMA、WCDMA、TD-SCDMA、AIE、LTEなどの無線アクセス・ネットワークや無線端末テクノロジーの研究開発に重点を置いてきました。新しいR&Dセンターはこれらのケイパビリティを拡張したもので、先進ワイヤレス・ネットワークのR&Dラボや、無線端末のテスト・センター、ASIC(特定用途向け集積回路)のシミュレーション・ラボ、GNAC(グローバル・ネットワーク解析センター)、EMC(電磁両立性)/環境ラボ、データ・センター、テクノロジー・ショールーム等が設置されています。
<環境への取り組みについて>
新設されたR&Dセンターは、世界最先端の通信技術の開発をリードするだけでなく、ファーウェイの環境維持への取り組みに沿って、環境に対する意識向上を推進しています。実際に、湖や池、湿地、無数の木々に彩られた生産エリアや食堂などの施設は、自然光を最大限に取り入れるガラス張りの外装を採用することによりエネルギー消費を抑えています。
<設計について>
浦東新区の金橋現代科技園(Jinqiao modern technology park)に移転したR&Dセンターは、277,000平方メートルの敷地面積を誇り、上海最大の商業ビルの1つに数えられています。同センターの設計は、上海の金茂大厦(Jin Mao Tower)、ドバイのブルジュ・ハリファ(Burj Khalifa)、ニューヨークのタイム・ワーナー・センター(Time Warner Center)などを手掛けている世界最大の建築事務所の1つ、スキッドモア・オーウィングス・アンド・メリル(Skidmore, Owings and Merrill)が担当しました。
<ファーウェイの研究開発施設について>
ファーウェイは独自のR&D施設をグローバルに展開するとともに、顧客とともに22を超えるジョイント・イノベーション・センターを運用しています。また、2009年には、売上げの10%を研究開発に投資し、全社員のうち46%がこの分野に携わっています。
ファーウェイは、今後10年間でネットワーク・トラフィックが75倍、モバイル・ブロードバンド・トラフィックは2,000倍以上に拡大すると予測しています。通信事業者は、ますます高度化するユーザーの要求に応えるべく、迅速な対応と技術提供を余儀なくされる一方でコストやコンバージェンスとのバランスを取る必要があります。
ファーウェイの上海R&Dセンターのディレクター、ワンハイ・ジエ(Wanghai Jie)は次のように述べています。
「この度新設されたR&Dセンターは、LTEなどのワイヤレス技術に関する当社のグローバルな研究開発能力を一層高めるでしょう。当センターを世界中のお客様に対する最先端ソリューションの発信地とし、大きな成長のチャンスにつなげたいと考えています。中国で最も近代的で繁栄している都市の1つである上海には、長年にわたり世界有数の人材を通信分野に輩出し続けてきたと同時に、グローバル/地域ごとのICT(情報通信技術)業界の発展にとってますます重要な役割を果たす存在に変貌を遂げつつあります。今回の新しいR&Dセンターは、当社のワイヤレスに関するケイパビリティを強化する戦略的なステップであるとともに、世界有数のテレコミュニケーション都市に成長する上海において、IT分野の人材を育成する役割も担っています。」