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ファーウェイのシングル・ストラテジー

モバイルブロードバンド(MBB)は、現在、世界中でビジネスチャンスの時期を迎えており、通信事業者は戦略的投資の追加を迫られています。年々、加速度的に増大する資金需要の大部分は、増加する加入者数とその要望に対応するものです。

MBBの投資回収には時間がかかるため、以下のシンプルな事実を並行して考えることが、利益を維持するひとつの方法となります。

  • ●主に世界中の新規加入者や見込み加入者数に起因するARPU低下
  • ●今後500倍に増加すると予想されるトラフィック量に対応するための帯域幅の拡充

はじめから徹底的な取り組みを行わなければ、低い利益と不透明なRO(I 投資収益率)という課題に直面した時、MBBがもたらす最も魅力的な機会をも逸失させてしまう可能性があります。

通信事業者の利益率を維持するためには、まず、あらゆるMBBネットワークに対し、費用効果の高い開発を行い、「基地局サイト(Site)」「周波数(Spectrum)」「パイプライン(Pipeline)」「加入者(Subscriber)」「人材(Staff)」という主な5つの関連資産の効率を向上させることが大切です。

ファーウェイは、コンバージェント・ネットワーク・ソリューション、「SingleRAN」(2009年より導入)を柱とし、2011年がエンド・ツー・エンドの「シングル・ストラテジー」の本格的な導入年になると考えています。これは、5つの関連資産の効率を向上させ、通信事業者の資産価値を最大化する方法を組み合わせた戦略です。

Siteより緊密に、より幅広く、よりグリーンに

私有地の権利や環境保護への関心がますます高まる昨今、基地局サイトの確保は以前よりも困難になっています。ネットワーク機器を購入するより、サイトの賃貸費のほうがはるかに高額になることは、世界的に見ても珍しいことではありません。こうした背景から通信事業者側も、新たなサイトの建設には消極的な一方、依然として通信エリアの拡大も課題として残っています。さらに、既存サイトを保持するために配置やメンテナンスを簡易化する工夫などをして、所有者の労力にも配慮しなければなりません。これらもまた、モバイルネットワーク業界における新たな要件になりつつあります。

ファーウェイのシングル・ストラテジーは、「より緊密に(closer)、より幅広く(broader)、よりグリーンに(greener)」サイトを実現することを目的としています。「緊密」とは、モバイルネットワークを補完する小型基地局のフェムトセルやピコセルを使用し、近接したネットワークを展開することで、加入者がアプリケーションにアクセスしやすくすることを意味します。データトラフィックの上昇に伴い、サイトによってはトラフィックが大幅に増加することもありえます。ファーウェイのシングル・ストラテジーでは、1つのキャビネットに最大で5つの周波数帯と3つの通信モードを展開することができます。これにより、新規サイトを構築したり、スペースを拡大したりする必要がなくなり、増加したトラフィックも容易に管理できます。これを当社では「幅広いサイト」の実現と定義しています。

「グリーンなサイト」とは、エンド・ツー・エンドでサイト費用を削減することを指します。たとえば、サイトのレンタル費、取得費、運用費の削減、最新技術によるサイトの年間消費電力の削減、IPマイクロ波バックホールなどの技術を使い、無線バックホールを可能にすることによって、工事費用が大幅に削減できます。

Spectrum ブロードバンド周波数の再利用

周波数リソースの不足は、最も多く周波数帯を所有する通信事業者が最終的に有利であることを意味します。一方、周波数リソースの取得費用は極めて高額で、近年は既存リソースを効果的に流用する方法が活発に議論されています。結論はシンプルです。異なるモバイルテクノロジーが同じ周波数を共有あるいは既存周波数を再利用できれば、通信事業者は高い利益を享受しつつ、周波数リソースの運用価値を高めることができます。

ファーウェイのシングル・ストラテジーは、次の方法で周波数の利用効率を向上できます。MIMO(Multiple-Input Multiple-Output:多重入出力)技術を使うことで、周波数の利用効率を向上させます。たとえばファーウェイではTDD(Time Division Duplex:時分割複信)で8T8R、FDD(Frequency DivisionDuplex:周波数分割複信)で4T4Rを実現します。ファーウェイの基地局製品は、MIMOをサポートするよう最適化され、単一モジュールで2つの送受信機をサポートできます。ファーウェイのSingleRANソリューションにより、同一周波数帯でG S M /UMTS、UMTS/LTEおよびGSM/LTEの展開も可能となります。ファーウェイのマルチ周波数、マルチモード型SDR(SoftwareDefined Radio:ソフトウェア無線)を使い、複数周波数の利用効率を向上することができ、将来的には、マルチテクノロジーおよびマルチ帯域が可能となります。

Pipeline パイプラインを最大化する3D Single All-IP Pipe

今後のモバイルネットワーク・エレメント間の内部接続を向上させるためには、オールIPパイプライン(バックホールおよびバックボーン)が重要となり、最大のインフラ投資となることは間違いありません。ファーウェイのシングル・ストラテジーは、集約化、平坦化、進化という 3つの次元でパイプラインを最大化します。これが、ファーウェイの3D SingleAll-IP Pipelineです。

アクセスレイヤではIPマイクロ波によって、途切れのない進化が可能になります。MBBにおけるオールIP化の急増によりデータサービスが大幅に増え、GSM TDMサービスは当面継続され、IPマイクロ波ソリューションによっても、TDM方式または混合方式からオールIP方式へのスムーズな移行が実現されます。

アグリゲーションレイヤでは、業界初の奥行き300mmのミニEDGEルーターを外部キャビネットに設置することで、BSC/RNC/AGWからBTS/Node B/eNode Bへ、エンド・ツー・エンドでルーターベースのIPバックホール・ネットワークの展開が可能となりました。ルーターベースのIPバックホールは、UMTS/HSPA/LTEネットワークでの、あらゆる接続を可能にし、スタティックルーティング、ダイナミックルーティング、および両者の混合型ルーティングを柔軟に選択することができます。これによりIPバックホールへの投資を最小化し、オールIPパイプラインを最大限に進化させることができます。

コアレイヤにおいては、IPとOTNが相乗的にバックボーン・ソリューションとして働き、ネットワークの安定性と効率性を向上させます。IPレイヤではサービスを認識し、パケットサービスが自動的かつ効率的に処理されます。光レイヤから帯域幅が絶え間なく提供され、膨大なデータを数千キロ離れた地点まで運ぶことができます。

Subscribers 50億人市場を捉える

加入者は通信事業者にとって最も重要な資産です。モバイルネットワークが急速に発展する中、加入者のロイヤルティを維持することは、通信事業者がネットワークをアップグレードする際に直面する最大の課題となりました。通信事業者は、ネットワークをスムーズに進化させること、そしてユーザー満足度を向上させることに第一に取り組む必要があります。データサービスが急速に発展しているとはいえ、音声通話の利用者も無視できない存在です。音声通話が現在でも中核のサービスだということを、念頭に置かなければなりません。だからこそ、ファーウェイは今後も音声通話サービスの向上に努め、クリアな音声品質を提供し続けたいと考えています。GSM/UMTSおよびデータと音声が融合したリッチコミュニケーションについても、ユーザの満足度、ロイヤルティが疎かになるようなことがあってはなりません。これは、高品質で途切れない接続を実現するLTEへの移行においても同様です。ファーウェイのシングル・ストラテジーでは、加入者の不満に迅速に対応し、履歴記録を活用して問題を正確に特定することで、顧客の満足度を向上させます。

Staff 人材の最適化

通信事業者にとって、多数の従業員の存在は重要であると同時に、人的資源への莫大な投資が大きな負担にもなっています。人材の価値を最大限にするため、急激な人員増加は避けつつ、ネットワーク品質を向上させ、容量を拡大することが、通信事業者の要件となっています。

ファーウェイのシングル・ストラテジーでは、異なるシステム、サイトソリューションとネットワーク全体に、集約型管理手法が採用されています。この手法では、運用保守担当者は難しい研修を受ける必要がなく、簡単な研修のみで、複雑なエンド・ツー・エンドのネットワーク保守業務ができるようになります。これにより、担当者は、単なる装置の運用保守業務ではなくユーザエクスペリエンスの向上に集中できるようになります。ファーウェイのシングル・ストラテジーはOPEXを大幅に削減し、CAPEX効率を向上させます。GSM/UMTS/LTEネットワークの集約管理と統合運用により、通信事業者は MBB の課題に自信を持って取り組むことができます。

ファーウェイのエンド・ツー・エンドのシングル・ストラテジーは、これら5つの角度から資産運用効率を向上できるように設計されている、通信事業者の増大する要件を満たす理想的なソリューションといえます。