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ドイツ・テレコム:新しいパケットコアでさらなるビジネス活力を

ドイツ・テレコムは、優れたインテリジェント・パケットコア・ネットワークを展開したことによって、2Gおよび3Gデータサービスの課題を解決した。その成果はヨーロッパのネットワークに改革をもたらしたのみならず、当社の通信業者としての強いリーディングポジション、ならびに未来のネットワーク革命の礎(いしずえ)を築き上げた。

欧州データ通信のパイオニア

ドイツ・テレコムには、同社の優秀な技術者集団という優位性を活かして、初期段階にある技術を素早く商品化するという明確なビジネス・スタイルがある。モバイルデータサービスの分野で、『ドイツ・テレコム』といえば、市場投入期間(Time To Market)が短い最先端のソリューションがすぐさまイメージできる。

2005年に同社は、革新的なHSDPAモバイル・データ・サービスのweb’n’walkを発表した。わずか2年間で590万人の契約者を獲得したweb’n’walkは、当時業界で最も成功した新サービスの1つだった。もう1つの成功要因は、2009年にiPhoneなどスマートフォンが発表されたことだ。スマートフォンによってデータの利用は急増し、通信事業者の収益も急上昇した。たとえば、ドイツ・テレコムは、2009年に驚異的な46%成長という収益を、データ通信サービスで計上した。

豊富な経験と確かなイノベーションに支えられ、ドイツ・テレコムは将来の成長に不可欠なモバイルブロードバンドサービスを上市した。しかし、ビジネスはいくつかの課題により翳りを見せ始めた。

ドイツ・テレコムの課題

HSPAサービスを利用して活発にネットサーフィンし、固定ブロードバンドに匹敵する体感品質(QoE)を求めるノートPCユーザー数が増加したことにより、国内のトラフィックが急増した。その結果、ドイツ・テレコムのT-Mobileは緊急にネットワークをアップグレードする必要性に迫られた。しかし、同社の従来からある2Gおよび3Gそれぞれのネットワーク、また絶えず進化する無線アクセス・プラットフォームが、同社のコア・ネットワークを非常に複雑にしていたため、アップグレードを遂行するにはいくつかの課題があった。まず、ドイツ・テレコムは、営業・品質両方の目標を達成できる大容量かつ高度に統合されたパケットベースのコア・ネットワークが必要だと気づいた。次に、帯域幅管理の問題があった。モバイルデータ通信の忠実なユーザー群を持つドイツ・テレコムは、高いQoEwを維持しつつ、サービスで差別化を図ることにした。有効方法の1つは、各種サービスの価値と優先度に基づく帯域幅の管理と配分を行うことだった。

2007年3月に同社は、欧州5ヵ国におけるモバイルコア・ソリューションのキャパシティ、知名度、トラフィック管理におけるフレキシビリティ、EPC(Evolved PacketCore)ソリューションへの将来的な対応力を評価し始めた。それにより、T-Mobileの市場目標の達成と3Gの台頭を支えるためには、より短期間の市場投入期間(TTM)を可能とするカスタマイズが必要であることが判明した。ドイツ・テレコムは、従来の個別の2Gおよび3Gのデータ・コアを、厳しい市場目標を達成することができるソリューションであるファーウェイのインテリジェント・パケットコアに完全に置き換えた。

インテリジェンスが道を照らす

2 0 0 7 年1 2月に、ドイツ・テレコムとファーウェイはパートナーシップ契約を締結し、ドイツ、英国、オランダ、オーストリア、チェコ共和国におけるパケットコア・ネットワークの構築に関する詳細を検討し始めた。

今後5年間の爆発的なデータトラフィックの増加、契約者へのサービスに的確に対応するために、当社は3 0 G b p sのインテリジェント・パケットコアを採用し、従来のモバイル・パケット機器をS G S N(Serving GPRS Support Node)とGGSN(Gateway GPRS Support Node)に置き換えた。

ファーウェイのインテリジェント・パケット・ネットワークは、サービスのレポートや管理、帯域幅のコントロール、コンテンツのフィルタリングなどのマネジメントポリシーに基づいて、ネットワークの効率化を図る。このソリューションのサービス識別およびレポート分析システムにより、ドイツ・テレコムは正確に市場のニーズを知り、それをもとに戦略を策定し、新サービスをより早く展開することができる。同社は、今では高いQoEをユーザーに提供し、その結果、市場シェアを拡大し、高い顧客ロイヤリティを生み出している。将来的には、カスタマイズされたファーウェイのソリューションによってEPC(EvolvedPacket Core)へ円滑に移行され、これによりT - M o b i l eの投資効果が得られ、ソリューションの持続性が高くなるだろう。

2008年5月と6月に、ファーウェイのコア・ネットワーク・チームはオーストリアとドイツでT-Mobileのネットワークへの移行に成功し、両国において新しいコア・ネットワークを商品化した。その結果、KP(I 重要業績指標)でソリューションの性能が実証され、英国、オランダ、チェコ共和国でネットワークを置き換える道を開くという大きな結果を成し遂げた。

成功の拡大

高品質なパケットコア・ネットワークへ移行したことにより、T-Mobileは自信を持って新しいデータサービスラインを拡販することができるようになった。さらに、2008年7月に、ドイツ、オーストラリア、オランダでiPhone 3Gの展開を成功させたことにより既存の顧客に支持され、さらに高い収益をもたらす新規契約者を呼び込むことができた。英国をパイロット市場に選んだドイツ・テレコムは2008年10月に、最初のAndroidをベースとした携帯電話機『T-Mobile G1』を独占発売した。その後、他の欧州市場に参入する直前の2009年2月に、ドイツでも高性能携帯電話機を発表した。モバイルブロードバンドのインターネット契約を抱き合わせにしたスマートフォンとノート型PCの売上の上昇は続き、さらに多くのモバイルデータの契約者を呼び込んだ。

ネットワークの高品質化とともに、ドイツ・テレコムはモバイルブロードバンドサービスの領域をリードするポジションを維持した。最初の欧州5ヵ国においてパケットコア・ネットワークへの置き換えに成功したことが、同社が活動するその他の国々にファーウェイのパケットコア・ソリューションを導入することにつながった。

2 0 0 8年に、ドイツ・テレコムはハンガリーのパケットコアを置き換えるためにファーウェイを選択した。2009年、再びファーウェイとともに、クロアチアとスロバキアでパケットコアの近代化に成功。2010年5月末までに、欧州8ヵ国におけるT-Mobileのモバイルデータサービスは、ファーウェイが提供する最新のパケットコア・ネットワーク上で運営されるようになり、次世代のモバイルブロードバンド開発要件を満たした。

これらのプロジェクトの成功は、ドイツ・テレコムとファーウェイとの長期的な戦略モバイルブロードバンド・パートナーシップの結果であり、ドイツ・テレコムの市場でのリーダーシップを大幅に拡大した。ドイツ・テレコムの欧州テクノロジー・ディレクター、LutzSchade(ルッツ・シェード)氏は、「私たちは、ファーウェイが貴重なパートナーだと確信し、長期にわたる戦略的パートナーシップの発展を期待しています。ファーウェイが提供する高度なソリューションを配備することで、ドイツ・テレコムは最先端のサービスをユーザーに提供することができ、戦略目標を達成することができるのです」と述べている。