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ファーウェイ、Polar符号を利用したチャネル符号化技術で 5Gにおける新たなブレークスルーを達成

2016.10.14

ファーウェイ(中国語表記:華為技術、英語表記:HUAWEI)は10月8日、Polar符号によって第5世代移動体通信(5G)のチャネル符号化における新たなブレークスルーを達成したことを発表しました。

今回のフィールド・トライアルは、以下のような主要な前提条件を考慮して実施しました。

  •   ミリ波の利用
  •   静止時と移動時の2つの環境で試験を実施
  •   ショート・パケットとロング・パケットで構成される複数の並列セッション

こうした条件のもと、ファーウェイはPolar符号を利用することで下り27ギガビット/秒の通信速度を達成しました。これは2016年4月に中国IMT-2020(5G)推進グループの活動の一環として実施した主要5G無線インターフェース技術の検証に続く成果であり、Polar符号技術が国際電気通信連合(ITU)が定義するモバイル・ブロードバンドの高度化(eMBB、最大20ギガビット/秒)、超高信頼・低遅延通信(uRLLC、1ミリ秒以下の遅延)、大量のマシーンタイプ通信(mMTC、数10億の接続)という5Gにおける3つの典型的なユース・ケースすべてに対応可能であることを示しています。

Polar符号の第一の利点として、5Gにおける効率的なチャネル符号化技術を提供し、現在のセルラー接続に比べて周波数利用効率を大幅に高めることが可能です。また第二に、線形複雑度の実用的な復号方法を有しており、将来の5G装置の実用化コストを最小限に抑えることができます。以上の利点から、Polar符号は将来の5Gのチャネル符号化ソリューションの最も有力な候補と考えられます。

Polar符号には、以下の2つの重要な特長があります。

  •  符号化においては、チャネル容量を最適化して、シャノン限界に迫る容量を実現可能
  •  復号化においては、シンプルな逐次除去を利用することで、ML復号と同等の性能を実現し、実用時の複雑性の低減が可能

従来のセルラー接続に比べ、5Gネットワークにおける最大の革新は新たな無線インターフェースで求められています。ファーウェイはこれまで、Filtered-OFDM、SCMA、Grant Free(割当不要)、TTI長短縮、そしてPolar符号などの最先端技術群を開発してきました。ファーウェイはPolar符号技術に関する最近のフィールド・テストにおいて、同技術を利用した場合の周波数利用効率は現在の無線アクセス・ネットワークと比べて3倍向上することを確認しています。このことは、現在進行中の5G標準化作業に重要な参考情報となるとともに、チャネル符号化処理における有力な候補技術としてPolar符号を位置づけることとなるでしょう。

※本参考資料は2016年10月8日(現地時間)に中国・深圳で発表されたプレスリリースの翻訳版です。