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5G: 全スペクトル・アクセス、新たなアーキテクチャ、新たな無線インターフェース


5Gにより革新的なアプリケーションや体験が生まれ、モバイル・ネットワークによってすべてがつながります。以下は、5Gの際立った特長です。

  • • 10Gbpsのピーク速度
  • • 1msの超低遅延
  • • 1,000億の接続数

これらの技術要件には、より多くの周波数帯によるアクセスを利用する以外にも、無線インターフェースやネットワーク・アーキテクチャを含む革新的な技術イノベーションが必要となります。ファーウェイは、2009年には5Gの研究を始め、現在では、全スペクトル・アクセス、新たなアーキテクチャ、新たな無線インターフェースを含む主要技術で全面的なブレイクスルーを達成しています。

全スペクトル・アクセス

5Gシステムは、6GHz以下の低周波数帯を中心とし、ホットスポットや室内配置用として高周波数帯を補完的に使用するというヘテロジニアスなネットワークになります。世界の既存モバイル・ネットワークは、低周波数のシームレスなネットワークを基礎に構築されています。3Gや4Gでは、モバイル・ネットワークの世代交代が世界的に実施されましたが、5Gでは既存のネットワーク・インフラをアップグレードにより最大限に活用しつつ、6GHz以下の比較的高周波数帯を部分的に導入できるため、通信キャリアの初期投資を抑えることが可能となります。それは同時に5Gネットワークの市場への導入スピードが格段に速くなることを意味し、モバイル産業ばかりではなく他業種との早い段階でのパートナーシップをより促進するのではないでしょうか。高周波数に関する技術やネットワーキングは、技術面で広域モバイル・ネットワークをサポートできる状態にはまだ達していません。それぞれのキャリアの5G周波数帯については、6GHz以下で、基本的な周波数帯域幅の要件としては100MHz程度を想定しています。

ファーウェイは、そのような中、世界初となる6GHz以下の周波数帯を利用した5Gの試作品を発表しており、そのピーク速度は10.32Gbpsに達しています。さらに、世界最速のピーク速度115Gbpsに達するミリ波システムも発表しました。

新たなアーキテクチャ

5Gは、モバイル・ネットワークや垂直産業の様々なサービスを支えるネットワークになります。これらのサービスで要求されるのは速度だけではなく、より大きな差別化を図ることであるため、各種サービスに柔軟に適応できる5Gネットワークのアーキテクチャが求められます。ファーウェイが提案する5G用の新たなアーキテクチャは、SDN/NFVを活用した物理ネットワークで、バーチャル・スライスによって多くの業種をつなぐことができます。ここでは、新たなアーキテクチャのキーポイントとなる3つの技術についてご説明します。

業界・サービスで定義されるネットワーク・スライシング(Industry Defined Network Slicing)

5Gを利用する各業界のサービス要件は、それぞれ異なります。こうした要件を満たすために、幾つの物理ネットワークが必要となるのでしょうか。わたしたちの答えは、1つです。1つの物理ネットワークで、異なるニーズに応じてバーチャル・ネットワーク・スライシングを実行することにより、様々なサービスを実現させるのです。

サービス中心のクラウド・アーキテクチャ(Service Oriented Cloud-Formation)

SDN/NFVを活用したサービス中心のクラウド・アーキテクチャが機運に乗じて実現してきています。5Gでは、汎用ハードウェアを利用して、リソースの統一割り当てやネットワーク機能のバーチャル化を実行できます。また、論理アーキテクチャの制御面とユーザー面を分けることにより、ネットワークのさらなる簡略化が図られています。物理的な配置については、サービスの必要に応じて、ソフトウェアにより対応する物理ノードに機能を配置します。自動運転車のネットワーク・スライスの場合には、その制御面とユーザー面をユーザーから最も近い位置に配置することにより、ミリ秒クラスの遅延を確保できます。

インターネット化によるサービス運営(Internet Architectural Operation)

ソフトウェアとハードウェア、制御面とユーザー面を分離したことから、5Gネットワークはよりフラットなアーキテクチャとなり、インターネット化された運営システムによってサポートする必要があります。このインターネット化されたサービス運営システムの導入により、エンドユーザー、開発者、キャリア、パートナーが同時に1つの運営プラットフォームにアクセスすることが可能になります。こうして5G通信キャリアは、様々な業種の顧客それぞれに合わせたネットワーク機能を迅速かつ高効率に配置でき、差別化を図るというサービス上のニーズに応えることができます。

新たな無線インターフェース

無線インターフェースは、各世代のモバイル通信技術を前の世代と区別するコア・テクノロジーおよび主要な要素となります。5Gでは、3Gや4Gと同様、革新的な無線インターフェース技術の導入が検討されています。統一された無線インターフェースにより、モバイル・ネットワークや垂直産業の差別化されたサービスへのニーズに応えると同時に、周波数利用効率の最大化が図れます。

ファーウェイは、新たな無線インターフェースという分野で全面的なブレイクスルーを果たし、他社に先んじて5G無線インターフェース技術パッケージを提案しています。ここでは、主な技術について紹介します。

1)Filtered-OFDM(Filtered Orthogonal Frequency Division Multiplexing:フィルター直交周波数分割多重)

4GのOFDM波形のサブキャリアは15KHzに固定されていますが、Filtered-OFDMのサブキャリアは柔軟に変更できるため、各種サービスに適応でき、周波数利用効率の最大化が図れます。

同技術の応用によって、5Gシステムでは、利用シーンやサービス要件に応じて様々な波形、多元接続方式、フレーム構造を同時にサポートできます。Filtered-OFDMは、様々な伝送波形やOFDMパラメータ構成に対応し、各種サブキャリア・フィルターを使用して、サブキャリア間隔、シンボル時間、ガードタイムがそれぞれ異なるOFDMキャリアを幾つかのグループに分けます。Filtered-OFDMでは、複数グループのパラメータ設定に柔軟かつ同時に対応でき、各サービス・グループに応じて最適なパラメータを選択したり、リソースを割り当てたりできるため、システム全体の周波数利用効率が向上します。

2)チャネル符号化 Polar Code(Polar符号)

Polar符号は、現在、シャノン限界の容量実現が唯一証明されている符号です。符号のブロック・サイズがかなり大きな場合でも、シンプルなエンコーダとシンプルなSC(Successive Cancellation:逐次除去)デコーダでシャノン容量を達成できます。Polar符号は、5G無線インターフェースに最適なFEC(Forward Error Correction:前方誤り訂正)と言えるでしょう。そのパフォーマンスは、現在の4Gシステムで使用されているチャネル符号化を上回っており、とりわけ短い符号を利用するシーンに適しています。

3)多元接続技術 SCMA(Sparse Code Multiple Access:スパース・コード多元接続)

SCMAは、5Gのフレキシブルな新しい無線インターフェースを実現するための新たな多元接続方式です。OFDMAをベースにスパース・コードを導入したこの技術の利用により、接続数300%増という大幅な向上が可能になります。加えてSCMAの受信側に、ブラインド・マルチデバイス受信技術を導入することにより、低遅延でのデータ送受信も実現できます。SCMAは大量接続に対応しているため、通信の低遅延化と端末の省エネにつながります。

4)全二重通信

4Gには、FDDとTDDという2種類の通信方式が存在します。FDDは送受信を異なる周波数で実行し、TDDは送受信を異なる時間領域で実行する方式です。全二重通信は、同一時間、同一周波数での送受信の同時実行に対応しています。同時に同じ周波数帯で信号を送受信することにより、システム容量や周波数利用効率のさらなる向上が可能で、理論上、利得は100%近くにまで達します。
5GではFDDとTDDをベースに、次世代TDDと全二重通信技術が導入される予定です。

5)大規模アレイ・アンテナ Massive MIMO

Massive-MIMOは、大規模なアンテナを基地局側と端末側に搭載し、実際の基地局の代わりとしてアンテナ空間上の密集した配列を利用することにより、周波数利用効率を大幅に向上させる技術です。

ファーウェイ・ラボの試験結果によると、アンテナや基地局設置場所を追加しない状況で、当社の新たな5G無線インターフェース技術により、周波数利用効率は3倍向上しました。Massive-MIMOの効果を重畳させれば、3倍をはるかに上回る効率が期待できます。