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古代から文明が栄えた「皇帝の都市」 山西省太原市

2018.04.10

布施 建義(ふせ・たてよし)
法人ビジネス事業本部 デリバリーサービス部 シニアエンジニア

太原市で生まれ育ち、ネットワーク技術を学んだのち米系IT企業のセミナー講師を務める。2008年に来日、専門学校でさらに知識を深め、オンラインゲーム運営会社のインフラ構築チームリーダーに。2016年に日本に帰化し、同年8月にファーウェイに入社。新婚1年目だが、共働きでお互い忙しく、夫婦でゆっくり過ごす時間が取れないのが悩み。



優秀な君子や商人を輩出
豊富な地下資源で発展

山西省の省都である太原市は、黄河の支流が流れ、古代から文明が栄えた歴史ある街です。7世紀に唐王朝を建国した李淵が最初に挙兵した地としても知られ、太原で育ったその息子李世民(唐の第2代皇帝、太宗)がきわめて優秀な君子であったことから、皇族の優れた子息を「太原公子」と呼ぶようになりました。多くの皇帝が太原に都を置いたことから、竜城(「竜=皇帝」の都市)という別名もあります。
また、古くから鉄や塩の取引で商人が富を蓄え、明や清の時代には金融業も手がける山西商人が中国全土で活躍しました。近代以降は石炭などの豊富な地下資源を活かし、工業都市として発展を遂げています。


刀削麺を生んだ「麺食のふるさと」

山西省は「麺食のふるさと」と呼ばれており、多彩な麺料理が楽しめます。代表的なのは刀削麺。日本では西安のものが有名ですが、実は山西が発祥です。他にも、包丁ではなく箸で切り落として作る剔尖(ティージェン)や、猫の耳のように丸めた猫耳朵(マオアーデュオ)、手で伸ばして作るおなじみの拉麺(ラーミェン)などがあり、小麦粉以外に高粱(コーリャン)を原料にした麺もよく食べます。 揚げた豚肉をキクラゲやタケノコと炒めた過油肉(グオヨウロウ)も、山西の伝統料理です。また、山西人はお酢好きとしても有名で、高粱などの穀類から作った名物の黒酢「陳醋(チェンツゥ)」は中国四大名酢の1つ。麺類から過油肉まで、何にでも酢をかけて食べるのが山西流です。

山西刀削麺

過油肉

一念発起で日本へ留学
ファーウェイの顧客から社員に

太原を一度も出たことがなかったのですが、日本で最先端の技術を学びたいと考え、一念発起して留学しました。最初の数年は中華料理屋などでアルバイトをしながらの学生生活で、つらいこともありましたが、学費を工面して送りだしてくれた家族と、この時の経験のおかげで、いまの私があると思っています。
来日前から技術力に優れた企業としてファーウェイに魅力を感じていましたが、希望職種での募集がなく、最初は別の企業に就職しました。そこでデータセンターのスイッチを当時法人向け事業を立ち上げたばかりのファーウェイの製品にリプレースしたのですが、私は最初の顧客の1人だったはずです。その後、同事業の拡大にともない採用職種も増え、念願のファーウェイへの転職が実現しました。
ファーウェイ製品を使う側から、お客様に提案する立場へと変わり、技術へのより深い理解が求められるようになりました。さまざまな業種のお客様やパートナーと1つのチームとなって課題を解決していくことにやりがいを感じます。2年前に帰化し、家族もできて、この国に根を張って生きていこうと決心しています。来日して10年、これまでサポートしてくれた多くの人たちに感謝の気持ちでいっぱいです。