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ファーウェイ、コンピューティング戦略を発表 世界最速のAIトレーニングクラスターAtlas 900を披露

2019.09.27

ファーウェイ(中国語表記:華為技術、英語表記:HUAWEI)は9月18日、同社最大規模のICT業界向け年次イベント「HUAWEI CONNECT 2019」(9月18日~20日、上海世博展覧館)を開会し、同社のコンピューティング戦略と世界最速のAIトレーニングクラスターAtlas 900を発表しました。Atlas 900はAIコンピューティング推進の原動力となり、科学研究やビジネスなどの多様な分野でのAI活用をより容易にすることを目指しています。

ファーウェイのコンピューティング市場戦略を概説するファーウェイ輪番会長 胡厚崑(ケン・フー)

ファーウェイ取締役副会長兼輪番会長 胡厚崑(ケン・フー)は基調講演で次のように述べています。「コンピューティング市場は将来、2兆米ドル(約216兆8,800億円)以上の巨大な市場になります。ファーウェイは4つの主力分野に経営資源を集中して投資し、アーキテクチャの境界を押し広げ、あらゆる活用シーンに向けたプロセッサ開発に投資すると同時に事業の「選択と集中」を行い、オープンなエコシステムを構築していきます」

ファーウェイのコンピューティング戦略

業界のコンピューティングに対するアプローチは、ルールベースから機械学習の基礎である統計モデルへとシフトしています。ファーウェイは今後5年間で統計モデルをベースとしたコンピューティングが主流になり、AIコンピューティングが世界で使用されるコンピューティングの80%以上を占めていくと予想しています。

こうしたなか、ファーウェイは市場ポジションを築くため、次の4つの分野に注力していきます。

•アーキテクチャにおけるイノベーション: 昨年発表したDa Vinciアーキテクチャは、手頃な価格のコンピューティング能力を安定して豊富に供給できるよう設計された革新的なプロセッサアーキテクチャです。ファーウェイは今後も引き続き、この分野における基礎研究に投資していきます。

•あらゆるシーンに対応するプロセッサへの投資: ファーウェイはすでに、汎用コンピューティング向け「Kunpeng(鯤鵬)」、AI向け「Ascend(昇騰)」、スマートデバイス向け「Kirin(麒麟)」、スマートスクリーン向け「Honghu(鴻鵠」などフルラインナップを揃えています。

•事業の選択集中: ファーウェイはこれらのプロセッサを直接外販しません。お客様にはクラウドサービスの形で、また、パートナー企業にはコンポーネントの形で提供し、パートナーによるソリューションへのインテグレーションを優先して支援していきます。

•オープンなエコシステムの構築: ファーウェイは今後5年間で開発者プログラムに15億米ドル(約1,626億円)を追加投資し、開発者500万人をサポートできるよう同プログラムを拡大していきます。世界各地のパートナー企業が次世代のインテリジェントなアプリケーションとソリューションを開発できるよう支援していきます。

世界最速のAIトレーニングクラスターAtlas 900

Atlas 900は、ファーウェイが過去10年間に培った技術的な優位性をベースに、1,000以上ものAscendプロセッサのパワーを組み合わせることで、AIトレーニングにおけるパフォーマンスを測定する際に参照されるResNet-50を使ったトレーニングではわずか59.8秒しかかかりません。これは、世界記録を10秒短縮するものです。

Atlas 900はAIコンピューティングを推進する原動力として、天文探測から、天気予報、自動運転、石油探査に至るまで、科学研究とビジネスイノベーションのさまざまな分野に新しい可能性をもたらします。ファーウェイはすでに、同社のパブリッククラウドサービス「HUAWEI CLOUD」にAtlas 900を導入し、クラスタサービスとして提供することで、多様な産業のお客様に圧倒的なコンピューティングパワーを提供しているほか、これらのサービスを世界各地の大学や科学研究機関に手頃な価格でご利用いただいています。

中国工学アカデミーのメンバーであり、鵬城ラボ(Peng Cheng Laboratory)ディレクターを務める高文(ガオ・ ウェン)氏は「HUAWEI CONNECT 2019」で講演し、鵬城ラボのミッションとビジョン、そして同ラボが取り組むエクサスケールスーパーコンピューティングに向けた中国初のAIスーパーコンピューティングシステムの構築におけるファーウェイとの協力に触れました。2社は今後もAIを活用した基礎研究とイノベーションに向けた次世代プラットフォームを協力して構築する計画です。

クラウド事業ユニットプレジデント鄭葉来(チェン・イエライ)はまた、10以上の産業にまたがる500以上のプロジェクトで培ってきた経験から、産業向けAIが既にキャズムを越え、あらゆる企業のデジタル変革を前進させる原動力になっていると指摘しました。

胡は最後に次のように呼びかけ、講演を締めくくっています。「我々はコンピューティング産業における新たな時代に突入しました。無限の可能性を秘めるこの大航海の時代を生き抜くため、孤軍奮闘ではでなく、ともに手を携えて歴史的な商機をとらえインテリジェンスを新たな次元へと引き上げていきましょう」

HUAWEI CONNECT について
HUAWEI CONNECT は、ファーウェイがICT業界向けに開催する最大規模の年次イベントです。今年は「Advance Intelligence(インテリジェンスを新たな次元へ)」をテーマとし、9月18日から20日まで上海で開催されました。オープンな協業と成功の共有という理念のもと、パートナーやお客様がインテリジェントな未来に向けた新たなビジネスチャンスを探究する場を提供しています。イベント公式サイト(英語)では会期中の基調講演映像や講演資料を公開しています。
https://www.huawei.com/en/press-events/events/huaweiconnect2019

※本参考資料は2019年9月18日(現地時間)に上海で発表されたプレスリリースの翻訳版です。

※1米ドル=108.44円で換算(2019年9月18日現在)