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ICTで課題を解決し、社会に価値を生み出す

2018.02.01

この記事は雑誌『オルタナ』51号(2017年12月18日発売)に掲載されたものです

ファーウェイは「より“つながった”世界」の実現を目指し、ICT(情報通信技術)を活用した社会課題の解決を支援している。ファーウェイ・ジャパンは中国・深圳本社で行われる研修プログラム「Seeds for the Future」を通じて、参加した学生に対し、ICTでどのように社会課題を解決できるのかを考える機会を提供している。さらに2017年4月からは、高齢社会のデジタル・デバイド(情報格差)解消に向けた調査・研究を支援している。

Seeds for the Futureに参加した学生20人は、ニュージーランドからの学生とともの最新のICTについて学んだ

■ 若者が社会課題を解決するICT活用を議論

ファーウェイはCSR活動の柱に「ICT人材の育成」を据え、2008年から世界中の学生を深圳本社に招く研修プログラム「Seeds for the Future」を実施している。2016年末までに96か国から2,700人が参加した。ファーウェイ・ジャパンも2015年から実施し、3回目となる2017年は8~9月に開催し、20人の学生が参加した。

Seeds for the Futureは約2週間のプログラムで、本社でのICT研修では、ICTの基礎知識やネットワーク、最新動向を学んでもらうとともに、ファーウェイ製品を使っての実習なども行われる。このほか、北京での中国語研修や書道体験、深圳にある世界最大の「電脳街」(電気街)の視察などを通して、中国文化を体感する。海外の学生とともに学ぶのも特徴で、2017年はニュージーランドの大学生10人と研修が行われた。

ファーウェイ製品を使って通信をつなぐ実習なども行われた

さらに、参加学生たちは国内外で起きている社会課題に対し、ICTでどのように貢献できるかを考え、提案することが求められている。帰国後の9月11日に開催された報告会では、参加学生20人が5チームに分かれ、チームごとに研修での学びや社会課題を解決するアイデアを発表した。

多くの学生が刺激を受けたのが中国で急速に普及した「シェアサイクル」だ。利用者は、スマートフォンのアプリで近くにある自転車を検索し、QRコードを読み込むなどしてロックを解除。利用後はどこでも乗り捨て可能だ。決済を含め、スマートフォンだけで完結する手軽さが受け、都市部で急拡大した。滞在中、学生たちもシェアサイクルを利用し、街中に足を延ばした。

こうしたシェアサイクルに触発されたチームは、日本の放置自転車に目を付け、廃棄される自転車をシェアサイクルとして生まれ変わらせるアイデアを発表。代表の学生は、「日本では放置自転車のうち約40万台がそのまま廃棄され、撤去費用を回収できずに赤字になっている」とし、「地方のコンビニは駐輪場が広く、駐輪場として活用できるのではないか。盗難防止のため、追跡システムを搭載し、行政や通信事業者などと連携できれば実現可能性は高まる」と話した。

報告会では、チームに分かれ、社会課題を解決するICTの活用方法を発表

このほか、一人暮らしの高齢者向け健康管理アプリ「ヘルスウォッチ」、キャンパス内で利用できる「レンタル傘」システム、認知症の徘徊対策のための位置情報アプリ、ICTを利用した物流の効率化など、学生らしい自由なアイデアが提案された。

報告会に列席した文部科学省科学技術・学術政策局人材政策課課長補佐の米田梓氏は「社会が激変するなか、官民が連携して、新たな価値を生み出すことに挑戦している。若い皆さんも夢に向かい、チャレンジし続けてほしい」と激励した。

■ 高齢者の安全と生活の向上を

日本は2007年、世界で初めて総人口のうち65歳以上の高齢者が21%を超える「超高齢社会」を迎え、2016年の高齢化率は27.3%(3,459万人)に上った。同時にICTが急速に発展するなかで、高齢者のデジタルデバイドの問題が指摘されている。自然災害などによる被害・犠牲者の7~8割が高齢者だが、情報へのアクセスは、生活の利便性を高めるだけではなく、非常時の「命綱」にもなる。

そこで、ファーウェイ・ジャパンは2017年4月から、早稲田大学総合研究機構の岩﨑尚子教授が理事長を務めるNPO法人国際CIO学会(東京・新宿)の高齢社会のデジタルデバイドを解消するための調査・研究を支援している。同学会は新宿区と横浜市と提携し、高齢者向け「スマートフォン教室」を開催し、約60人が参加。スマートフォンが普及するためには何が必要かを探った。さらに早稲田大学の学生約300人も関連の授業に参加し、高齢者のデジタルデバイドの解決方法を考えた。

スマートフォン教室では、スマートフォンの機能を「目」や「耳」に例えながら説明するとともに、2人1組となって、実際にファーウェイの製品を使ってもらった。地図アプリを起動し、行きたい場所を音声入力すると、現在地からの経路や所要時間が画面に出る。触れる前は「使ってみたいが、何となく不安」と話していた参加者も、体験後は「ボタンを押すだけなので簡単で楽しい」と嬉しそうだ。

高齢者約60人がスマートフォンを初めて体験した

岩﨑教授は「スマートフォンを通じて社会との接点が増えるが、普及させるには安全安心の確保と社会参画(e-Inclusion)への動機づけも必要だ。高齢者を含むすべての人にとって、ICTが当たり前になる社会づくりを目指したい」と語った。


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SDGsをテーマに「サステナビリティ・サロン&カンファレンス」を共催を議論

ファーウェイは10月11~12日、CSR Europeとの共催で、「第3回ファーウェイ・サステナビリティ・サロン&カンファレンス」をベルギー・ブリュッセルで実施した。テーマは「SDGs(持続可能な開発目標)を達成する方法としてのICT」だ。11日に実施されたサロンには、40人が参加。参加者は産業界、非営利団体、政策担当者などで、目標11の「住み続けられるまちづくりを」に焦点を当て、都市の課題を解決するために、ICTをどのように活用していくかについて議論した。デジタル社会におけるスマートシティに関するヨーロッパの政策について発表されたほか、都市の課題解決のためにICTを活用するには誰がどのように牽引すべきかなどについて議論された。

ベルギーで開かれたファーウェイ・サステナビリティ・サロン&カンファレンス

12日にはよりオープンな討議の場としてのカンファレンスを実施し、100人を超える参加者があった。ファーウェイはEU各国のICT分野の成熟度とSDGsの達成度を評価しその関連性を探った「EU ICT ベンチマーク・レポート」を発表した。