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株式会社バンダイナムコビジネスアーク~1.2PBクラスのオンプレミス・ストレージをクラウドより低コストで実現 ファーウェイのコンバージド・ストレージ・システム

2017.12.26

おもちゃや文具などのトイホビー事業、ゲームソフトをはじめとするネットワークエンターテインメント事業、アニメの映像・音楽などを手がける映像音楽プロデュース事業の3事業を中核とし、豊富なIP(知的財産)を軸に幅広い事業展開を行うバンダイナムコグループ。ゲーム、アニメ、CMなど、過去に蓄積してきたコンテンツ・データは莫大な量にのぼります。こうしたデータのアーカイブを目的として、同社ではファーウェイの『OceanStor 5500 V3』を導入し、大容量のオンプレミス・ストレージを構築しました。グループ企業のITシステムを統括する株式会社バンダイナムコビジネスアーク 情報システム部 IT戦略セクション デピュティゼネラルマネージャーの森田繁氏、同部 ITインフラ戦略セクション ITインフラ・システム管理チーム チーフ 清水義弘氏と、導入・保守においてパートナーとして強力にサポートしてくださった新日鉄住金ソリューションズ株式会社 ITインフラソリューション事業本部の長津泰輔氏に、お話をうかがいました。

株式会社バンダイナムコビジネスアーク 情報システム部
IT戦略セクション デピュティゼネラルマネージャー 森田繁氏(右)
ITインフラ戦略セクション ITインフラ・システム管理チーム チーフ 清水義弘氏

増大を続けるデータをオンプレミスでアーカイブ

バンダイナムコグループにとって、IPはビジネスのコアをなす資産です。商品となるコンテンツをはじめ設計書やCM映像など、開発から販売にいたる過程で莫大な量の価値あるデータが生成されます。こうしたデータの多くが、かつては社内に散在していたと森田氏は語ります。

「各部署がNASやHDDで保管しており、バックアップも担当者に任されていました。会社の貴重な財産であるデータを一括で保存し、必要に応じてアクセスできるアーカイブの構築が急務でした」

そこで2011年にアーカイブ用ストレージをオンプレミスで構築。管理しやすくはなったものの、データは年々増加し、すぐに容量が追いつかなくなりました。

「当初の容量は144TB(テラバイト)で、その3分の1の48TBほどのデータをアーカイブしていましたが、翌年にはほぼいっぱいになり、216TBに拡張しました。その後も増強を続け、5年目には300TBまで増やしたものの、近いうちにまた不足するのは目に見えていました」と清水氏。

経年劣化と度重なる拡張で保守の負担が増大したこともあり、これ以上こまめに買い足すのではなく、より大容量のストレージを新たに構築すべきと判断しました。

省スペース、低コストで実効容量1.2PBのストレージ構築が可能に

今後も継続的にデータが増加することを見越し、新たなストレージでは既存の300TBの2倍、600TB以上の容量を確保することに。これだけの大容量ストレージを構築する上では、コストが重要な要因となってきます。「クラウドは容量単価だけ見ると安く見えますが、実際には通信料など追加の諸費用がかかってしまいます。クラウドとオンプレミスそれぞれに複数の選択肢を検討し、運用・保守まで含めたトータルのコストをできるだけ抑える方法を模索しました」(森田氏)

そうした選択肢の中で最もコスト・パフォーマンスが高かったのが、ファーウェイの『OceanStor 5500 V3』で構築するオンプレミス・ストレージでした。初期導入コストと5年間の保守費を含めて試算した結果、1か月あたりのGB単価は既存のシステムの5分の1となり、クラウド・サービスと比べても大幅に低く抑えられることがわかりました。

「ディスクを集約して省スペース化を図ることも必要です。今回は4Uの高密度ディスク・エンクロージャ4台に324本のディスクを格納し、わずかなスペースで大容量ストレージを構築することができました。また、ストレージ2台のリモートレプリケーションによりDR(ディザスタリカバリ)も実現しています。以前はテープによるバックアップのみだったので、管理の手間は大幅に軽減されました」(清水氏)

DR環境を含めた実効容量は1.2PB(ペタバイト)に達し、グループ全体で余裕を持って利用可能なストレージを用意できました。「3,000名ものグループ全体で使用することを考慮すると、使い勝手が以前と変わらないのもオンプレミスの利点です。新たなクラウド・サービスをグループ規模で導入するのはハードルが高いですが、オンプレミスならインターフェースはそのままに、当社のニーズに合ったシステムを構築できます。容量が増え、コストが下がり、DRもできるようになったことで、社内からは高い評価を得ています」と森田氏は言います。

『OceanStor 5500 V3』2台と4U高密度ディスク・エンクロージャー4台により、わずか10U+10Uのスペースで実効容量1.2PB(物理容量1.8PB)の大容量ストレージを実現

高い信頼性とメンテナンス・フリーの保守体制

2016年3月の本格導入から1年を経て、現在は旧システムからのデータ移行もすべて完了し、順調に運用を行っています。「ある程度の故障は想定していましたが、ディスクの破損はこれまでに1件だけ。データ移行用に導入したサーバー『FusionServer RH1288 V3』も、一度も不具合が生じていません。数年間使ってみないと確かなことは言えませんが、いまのところは非常に信頼性が高いと感じています」と清水氏。新日鉄住金ソリューションズの長津氏も「日本メーカーの高性能なパーツを採用していると聞いていましたが、実際に稼働させてみると本当に壊れない。当社のエンジニアからも感嘆の声が上がっています」と話します。

保守においては新日鉄住金ソリューションズの強力なサポートにより、24時間365日対応、自動発報によるメンテナンス・フリーの体制を実現しています。同プロジェクトの技術責任者を務めたファーウェイ・ジャパンの石原は「機器の不具合を検知して自動でアラートを送信するシステムは、新日鉄住金ソリューションズとの協業があってこそ実装できたものです。ファーウェイ本社のR&Dとも緊密に連携し、お客様の求める仕様を実現することができました」と述べます。

開発とのタッグが生むスピード感、お客様・パートナーと実現するチームワーク

森田氏は当初、同業他社から製品の評判を聞いてファーウェイにアプローチしてくださったそうです。「とはいえ、これまでとは違うメーカーの製品を新たに採用するのは大きなチャレンジでした。今回は新日鉄住金ソリューションズがしっかりと橋渡しをしてくれ、ファーウェイにもこちらの要求に迅速丁寧に応えてもらえたことで、最終的には自信を持って良い決断ができたと思っています」

営業を担当したファーウェイ・ジャパン の黄は「品質に納得していただくには、現場をお見せするのが一番。ファーウェイ本社で基板実装から梱包まで生産ラインをすべてご覧いただき、『これなら大丈夫』と安心していただけました」と話します。長津氏も「ファーウェイは開発現場との距離が非常に近いと感じます。ファームウェアの開発においても、特定の顧客向けにカスタマイズしたファームウェアを派生バージョンとせず、公式仕様として実装してしまう。R&Dとの密接な協力体制がなければできないことでしょう」と評価してくださいました。

「通常なら1年かかるようなプロジェクトが、3か月程度で完了できた。このスピード感は他社にはないものですね」と清水氏。森田氏も「ベンダー、SIer、ユーザーが要求や意見を率直に伝えあいながらチームとして目標を達成できました。企業の情報システムは安定感と信頼性がなにより重要。次のシステム拡張時には迷わずファーウェイ製品を選べるよう、今後も信頼できる対応を続けてほしいと思います」と期待を寄せてくださいました。

新日鉄住金ソリューションズ株式会社 ITインフラソリューション事業本部 営業本部 ソリューションサービス営業第四部 第一グループ エキスパート 長津泰輔氏

ファーウェイ・ジャパン 法人ビジネス事業本部 ソリューション&マーケティング部シニアソリューションセールスマネージャー 石原和美

同 第一営業本部 クラウドインフラ部 セールス・マネージャー 黄進凱(オオイ・チンカイ)