通信・自動車業界各社、業種をまたぐグローバル団体 「5Gオートモーティブ・アソシエーション」を創設

• アウディ、BMWグループ、ダイムラー、エリクソン、ファーウェイ、インテル、ノキア、クアルコムは、コネクテッド・モビリティの実現に向けた通信ソリューションを共同で開発、試験、推進
• 次世代移動体通信5Gを活用し、インフォテイメントや自動運転などのアプリケーションによってモビリティと安全に対する社会ニーズに対応
• 5Gオートモーティブ・アソシエーションはさらなるパートナーの参画を歓迎

アウディ、BMWグループ、ダイムラー、エリクソン、ファーウェイ、インテル、ノキア、クアルコムは9月27日、「5Gオートモーティブ・アソシエーション（5GAA）」を創設したことを発表しました。本アソシエーションは今後、自動運転、多様なサービスへのユビキタスなアクセス、スマート・シティやインテリジェントな交通システムとの融合などのアプリケーションによって、モビリティと安全に対する社会ニーズに対応することを目指し、通信ソリューションの開発・試験・推進や標準策定に向けた取り組みのほか、商用化とグローバル市場での普及を促進していきます。

次世代の移動体通信である5Gネットワークや、車車間／路車間通信であるC-V2X（Cellular Vehicle-to-everything）を含むLTEネットワークの継続的な進化に伴い、近年のICT産業のフォーカスはIoTと多様な産業のデジタル化へと軸足を移しています。

次世代移動体通信システム5Gは今日のネットワークをさらに進化させたものとして、さらに膨大なデータ量、大量のデバイスとの接続、大幅な遅延削減を実現し、新たなレベルの信頼性を実現することが期待されています。例えば、5Gはより安全な運転を支えるミッション・クリティカルな通信にも優れていることに加え、高度なV2X通信やコネクテッド・モビリティ・ソリューションもサポートします。

自動車業界とICT業界ではこうした新たなソリューションによりテクノロジーとビジネスの両面でチャンスが生まれると予想されており、5GAAのメンバー企業は緊密な協力のもと、こうした可能性を最大限に実現していきます。また、技術や規制における主要な課題に取り組むとともに、5Gを活用し、車載プラットフォームをコネクティビティ、ネットワーク、コンピューティングの各種ソリューションと統合していきます。今後の主な活動は以下のとおりです。

• ユース・ケース、技術要件、実現に向けた戦略の定義・調整
• 標準化団体や規制当局への対応や認可手続き等のサポート
• 無線接続、セキュリティ、プライバシー、認証、分散クラウド・アーキテクチャなどのV2X技術への要件への対応
• ソリューション統合、相互運用試験、大規模パイロットやトライアルに向けた、イノベーションと開発プロジェクトの共同実施

5GAAはグローバルな団体であり、自動車業界やICT業界の企業に加え、車両や道路交通システムを支える広範なエコシステムやバリュー・チェーンに参画するパートナー企業の参加を歓迎しています。すでに複数の企業が本アソシエーションへの強力な支援を表明しており、近い将来、参加する意思があることを明らかにしています。

また、5GAAの理事長にはクリストフ・ヴォイト（Christoph Voigt）氏、事務局長にはディノ・フロール（Dino Flore）氏がそれぞれ就任します。

さらに、European Connected & Automated Driving Pre-Deployment Projectをはじめ、国家・地域レベルのさまざまな取り組みを支援するとともに、緊密に連携していきます。

各社のコメント：

アウディ インフォテイメント開発部門責任者 アルフォンス・ファラー（Alfons Pfaller）氏

今後、コネクテッド・カーは人々のモビリティの未来をつくり、次世代移動体通信は車とその他多数のデバイスとの通信を新たなレベルに引き上げてくれます。成功のカギは異業種間の協業にあります。関連するすべての分野の専門家がともに協力できる場として5GAAを創設したのはこのためです。

BMWグループ エレクトロニクス部門上級副社長 クリストフ・グロート（Christoph Grote）氏

当社は5Gが世界で主流の次世代移動通信規格になると期待しています。自動車業界では、5Gによってデジタル化時代や自動運転時代の課題を解決することが不可欠です。5GAAを通じて、業種をまたぐフォーラムを創設することで、業界をリードするICT企業とともに未来の5G技術を作り上げていくことができます。本アソシエーションの共同創設者として、より多くの自動車・ICT業界の各社や移動体通信事業者各社が5GAAに参加してくれることを期待しています。

ダイムラー デジタル自動車・モビリティ部門ディレクター サジャッド・カーン（Sajjad Khan）氏

コネクテッド・カーの実現により、車内と車外の双方でお客様にサービスを提供することが可能になり、日常生活をより便利にするとともに快適性と安全性を向上し、大きな付加価値を創出します。コネクテッド・カーの基礎となるのが、グローバルで共通の通信規格をベースとした、信頼性の高い高速な通信技術です。ダイムラーは、5GAAのその他の創設メンバーとともに、まさにこうした技術の開発に取り組んでおり、次世代のモバイル端末技術の登場にあたって自動車の接続性も新たなレベルに引き上げることを目指しています。

エリクソン CTO ウルフ・エワルドソン（Ulf Ewaldsson）氏

5Gの成功は、産業のデジタル化に向けた新たなエコシステム内での異業種間協業にかかっています。我々はこのアソシエーションの創設により、最新の技術である5Gを活用して自動車業界と緊密に協力してソリューションを共同開発していくとともに、規制、認可、標準化の各プロセスで情報提供も行っていきます。共同創設者として、業界をリードする自動車各社と協力し、将来のコネクテッド・カー・ソリューションを構築できることを大変嬉しく思います。

ファーウェイ 2012ラボ プレジデント 李英涛（リ・インタオ）

5GAAの創設は、モバイル業界と自動車業界間の異業種協業を通じた共同イノベーションの実現とともに、スケジュールや優先順位、ソリューション・ロードマップの調整を行うプラットフォームの構築が求められていることを示すものです。5GAAによって、5G技術をベースとした自動運転や未来の自動車サービスに向けたグローバルな規制、認可、標準化への対応が円滑に進むでしょう。

インテル IoTグループ上級副社長兼ジェネラル・マネージャー ダグ・デービス（Doug Davis）氏

インテルの5G技術開発におけるリーダーシップ、オープンな標準への長期的コミットメント、自動車業界をリードする各社との協業は、自動車・交通分野での5G導入の動きを加速します。他業界のリーダー達との提携は、5Gが世界中で自動運転、スマート・シティ、インテリジェントな交通システムにおける安全性確保や各種サービスの実現で、画期的な成果をもたらすことを可能にします。

ノキア 最高イノベーション及びオペレーション責任者 マルク・ロアンヌ（Marc Rouanne）氏

5GAAはノキアの自動車業界との緊密な協業関係を示す最新の取り組みであり、自動運転を実現し、自動車のイノベーションで新時代を切り拓くものです。クラウド、通信、ネットワークの各種技術とイノベーションは自動車を完全にネットワークにつながったデバイスへと変え、自動車を運転するという体験に革命を起こすとともに、社会のモビリティ・ニーズに応える可能性を秘めています。ノキアはこうした取り組みをリードすることで、人命を救い、環境の改善、交通システムのさらなる効率化を実現できることを大変嬉しく思います。

クアルコム 自動車部門上級副社長兼ジェネラル・マネージャー パトリック・リトル（Patrick Little）氏

5GAAの共同創設者として、クアルコムは世界をリードするステークホルダーとの継続した協業を通じて、自動車業界と通信業界のさらなる協業を推進し、交通に最適な新技術の実現をサポートできることを楽しみにしています。クアルコムは10年以上にわたり、人々の移動中の安全性、モビリティ、利便性を高めるコネクティビティとコンピューティング・ソリューションの開発に注力してきました。当社のLTE-Advanced、C-V2X、5G-NR技術は、安全性の向上と自動運転の実現に重要な役割を果たすでしょう。

※本参考資料は2016年9月27日（現地時間）にドイツ・ミュンヘンで発表されたプレスリリースの翻訳版です。