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ともにイノベーションを追求し、チームの進化を支える キャンベラ・レイダースとファーウェイとのパートナーシップ

2018.01.11

スポーツチームのスポンサーにはユニフォームにロゴを付けるだけで満足する会社もある。だがファーウェイは、キャンべラ・レイダースと広範で密接なパートナーシップを築き上げ、長年にわたってチームをさまざまな局面でサポートしている。

初出:Mumbrella(メディア・マーケティングにフォーカスしたオーストラリアのオンラインメディア)
Mumbrellaコンテンツ制作部門 ヘッド アレックス・ヘイズ(Alex Heyes)

イノベーションが勝敗を分ける

オーストラリアの首都キャンベラ郊外の静かな街ブルースに、ややさびれたプレハブの施設が広がっている。一見しただけでは、こんなところでテクノロジーとパートナーシップが変革を起こしているとは思えないだろう。

だがここはキャンベラ・レイダースの本拠地であり、ハイテクを駆使したパフォーマンスセンターに生まれ変わりつつある場所なのだ。レイダースはここでスポンサーとのパートナーシップを通じて選手とファンのデータを活用し、負け組の常連からナショナルラグビーリーグのスターチームへと変身を遂げている。

キャンベラ・レイダース


オーストラリア・キャンベラを本拠地とするプロラグビーチームで、1982年からオーストラリアとニュージーランドのプロラグビーリーグであるナショナルラグビーリーグ(NRL)に所属している。1980年代後半には上位チームに名を連ねていたものの、1994年の優勝を最後に長く低迷が続く。全盛期を支えたプレーヤー、リッキー・スチュアートをコーチに迎えた2014年以降、盛り返しを見せ始め、2016年はリーグ2位でシーズンを終えた。

「ラグビーは26人の選手で戦うシンプルなゲームです。選手は同じようなトレーニングを行い、似たような体形に鍛えあげられ、等しく徹底的に分析されます。では、最終的に勝敗を分けるのは何か? それは、イノベーションです。イノベーティブなアプローチを取れるかどうかが、わずかな優位性をもたらすのです」と、レイダースのコマーシャルマーケティングマネージャー、ジェイソン・マシー(Jason Mathie)氏は言う。

こうした姿勢は試合の戦績だけでなく、ファンの拡大にも表れている。レイダースのファンクラブは国内で最も勢いよく成長しており、2014年には8,300人だった会員数は、昨シーズンまでに1万5,000人へと増加した。

スポンサーシップからパートナーシップへ

レイダースがグラウンドの内外で静かなる改革を進めるにあたって力になったのがファーウェイだ。マシーによれば、レイダースとファーウェイとの関係は2012年に始まり、双方にとって次第に価値を増しているという。

「スポンサーになった当初、ファーウェイの主な目的はオーストラリア市場でのブランド認知を高めることで、1~2年目はファンのコミュニティにファーウェイを知ってもらうことに徹していました。当時はファーウェイという企業名を発音できない人が多かったので、ちょっとおもしろいこともやったんですよ」と言って見せてくれたのは、オリジナルの動画だ。2人の選手がキャンベラの街中で通行人に「HUAWEI」をなんと読むかを聞いてまわり、正解者にはスマートフォンをプレゼントする。

「しだいにファンたちはファーウェイの製品について知りたがるようになりました。同時に、選手やチームのスタッフが業務用にファーウェイの端末を使うようになり、レイダースの本部と練習場のWi-Fi導入もファーウェイが支援してくれました。われわれがファーウェイのブランド認知を高めるだけでなく、彼らもわれわれの進化をサポートしたわけです」

選手が通行人に「HUAWEI」の発音をたずねる

テクノロジーとデータが勝利へと導く

郊外のローテクな環境にありながら、レイダースはこの拠点でデータと選手の管理方法を大きく変革させてきた。この過程を見守ってきたのが、元選手のベテラン主任コーチ、リッキー・スチュアート(Ricky Stuart)氏だ。

「われわれのビジネスにとって、選手はステークホルダーの1人であり、ビジネスの一部です。選手ががんばっていいプレーをするほど、ビジネスがうまくいくのです」とスチュアート氏は語る。

「そこで必要になるのがテクノロジーです。これは選手の調整に重要な役割を果たします」

練習中、選手はスポーツ用のGPSトラッカーで動いた距離や速度を計測する。以前はビデオを撮影し、試合後に見直すという方法を取っていたが、ファーウェイがWi-Fi環境を整備したことでリアルタイムのモニタリングが可能になった。スチュアート氏いわく、こうした改善の積み重ねによって雑務にかかる時間が短縮され、ラグビーという本業に集中できるようになるという。

「練習中に収集したデータを即座に処理し、その日のうちに翌日の準備ができる。20年前にはこんなことができるなんて想像もできませんでした。ハイパフォーマンストレーニングにおいては、選手の運動量と体調を日々把握しておくことがきわめて重要です。いまでは収集したデータを見るだけで、翌日何をすればよいかがはっきりわかります」

選手がいつどんなふうにトレーニングを行うかもまた、勝利を左右する大きな要因の1つだ。ウエイトトレーニングではファーウェイの『MateBook』を利用し、『TeamBuildr』というソフトウェアでウエイトの重量や動きの速度などを測定している。これでトレーニングが過剰あるいは不十分な選手がいないかをチェックできるほか、トレーナーが器具の設定にかける時間と手間も節約できる。

トレーニングが終わってからも、スマートフォンのアプリで食事の内容を管理したり、ウェアラブルで睡眠の量と質などの記録を取ったりと、チームはあらゆる方法でデータを収集する。さらに、頻繁に変更するスケジュールを全員が把握できるよう、次の予定のアラートを選手たちの端末に送信する。こうしたデータの収集ややりとりにも、ファーウェイが提供するネットワーク接続と端末が役立っている。

練習中はGPSで動きをトラッキング

モニターで速度を確認しながらトレーニングを行う選手

動作を分析して不調を未然に検知

テクノロジーは、医療チームの仕事にも恩恵をもたらしている。彼らは選手の身体状態を把握するため、かつては時間をかけて選手1人ひとりを精査し、チャートを作成していた。現在はアイルランドのキットマンラボが開発したシステムを導入してこれをデジタル化し、『Xbox Kinect』のカメラでキャプチャした動作をファーウェイの『MateBook』に送って記録を分析することで、気になる変化をキャッチする。ケガをしたあとのリハビリテーションに対し、このように未然に不調を検知してケガを予防することをプリハビリテーションと呼ぶ。

こうした検査を遠征先で行うために、以前は何百キロもの重さの高価な測定機器を選手とともに運んでいたが、現在はタブレット数台とKinectカメラだけで済む。また、検査にかかる時間も半分になった。「本拠地でやっているのと同じことを、世界中どこででもできるのです」とマネージャーのジョン・ボナセラ(John Bonasera)氏は言う。

検査の効率化は、時間だけでなくコストとリスクの削減にもつながっている。ボナセラ氏によると、選手のケガによる試合欠場は2013年の年間163回から、2016年には67回に減少した。優秀な選手が常に出場できれば勝率は上がり、補欠選手の数を抑えることができ、欠場の選手を他の選手がカバーする必要も減る。

新たなスタジアム体験を実現

データの活用でチームの能力を向上することに加え、舞台裏でもまた、ファンへの理解を深め、観客の体験をより豊かにするためのプラットフォームの構築にファーウェイとの協力が活かされている。

「われわれは米国の事例から学び、試合当日のスタジアム体験の演出がビジネスの核になると考えるようになりました。それを提供する機会が年間に12回もあるのです。それなのに、これまでは試合を観に来る熱烈なファンの方たちのことを十分に理解していませんでした。ファンクラブのメンバーかどうかぐらいはわかっても、彼らがスタジアムのどのあたりでどんな行動を取るのかといったことは知るすべがなかったのです」と、マーケティング担当のマシー氏は語る。

「そこでファーウェイの端末製品を使ったキャンペーンによってスタジアムでのエンゲージメントを高めつつ、ファンのデータを収集する施策を打ちました。入場ゲートで開催したVRイベントもその一例です。試合前の選手の視点で、ファンがサインを求めて待っている通路から、更衣室に入り、フィールドに出ていくまでをVRで体感できるというものです。こうしたイベントを試合前に実施すれば、ファンはゲートを入った瞬間から盛り上がることができます」

マシー氏はスポンサーシップが一方的な関係性ではないことを強調する。「われわれはスポンサー契約を結んだ相手を単なるスポンサーではなく、ともに事業を行うパートナーだと考えています。われわれのビジネスも、スポンサー企業のビジネスも、その他のビジネスパートナーのビジネスも、すべてうまくいくことを目指しているのです。ファーウェイがレイダースにとって最も長期にわたるスポンサーであり、それを大事にしてくれているのは、彼らもまたわれわれとの関係をパートナーシップと見なしているからにほかなりません」

拡大するパートナーシップ

主任コーチのスチュアート氏はまた別の形でもファーウェイと緊密な関係を築き上げてきた。彼が立ち上げた自閉症児を持つ家族をサポートするリッキー・スチュアート財団を、ファーウェイが支援しているのだ。レイダースとともに資金面での支援を行っているほか、ファーウェイはテレビ中継のある試合の際にユニフォーム前面の自社ロゴスペースを同財団に提供した。

「財団のロゴがチームのユニフォームに載り、テレビ中継で多くの人々の目に触れるというのはすばらしい贈りものでした。このニュースはメディアの注目を集め、いくつかの人気テレビ番組でも紹介されました。これはファーウェイの計らいがあってこそ実現したことです。ファーウェイとのパートナーシップがなければ、財団はこれほど成功していなかったでしょう」とスチュアート氏は述べる。

昨年ファーウェイは、6年間のスポンサーシップをさらに3年延長することを決定した。現在、レイダースはファーウェイとともにクラウドソリューションをはじめとしたICTの導入をさらに進めていくことを計画している。マシー氏は両社の関係についてこう述べた。「何か問題があると、われわれはいつもファーウェイにテクノロジーで解決できないかと相談します。ギブアンドテイクではありません。お互いにイノベーションという目標を共有しているのです」

リッキー・スチュアート財団のロゴが付されたユニフォーム。試合後にはファーウェイがこれをオークションで販売し、売上を財団に寄付した(画像提供:Raiders.com.au)