ファーウェイ・ジャパンの端末最新情報
4月4日にNTTドコモから発売される『ドコッチ01』。キッズ向けウェアラブルというこのユニークな製品を企画した同社M2Mビジネス部コンシューマM2Mビジネス スマートホーム担当課長の松藤英文氏に、開発の背景をうかがいました。
きっかけはパパ・ママの声から
『ドコッチ 01』は、小学校低学年のお子様を想定ユーザーとした3G通信搭載の腕時計型デバイスで、「走る」「歩く」「座る」「外す」の4つのステイタスを検出するGセンサー、気温や湿度の異常を感知する温湿度センサー、GPSやBluetoothペアリングによってお子様の活動状況や居場所をパソコンやスマートフォンから見守ることができます。ドコモとファーウェイは開発段階から密接に協業し、製品化を実現しました。
子ども向けウェアラブルというアイデアは、お父さん・お母さんたちの声から生まれたと松藤氏は語ります。「数年前に、キッズケータイの販促キャンペーンで地方の量販店などの店頭に立ち、お子さんを持つお客様とお話しする機会が多くありました。その中で、特に低学年や男の子の場合、携帯電話だとなくしたり壊したりする、持ち歩くのを嫌がる、といった声があり、『腕時計型なら着けたがるかもしれない』というご意見があったんです」
ご自身も父親である松藤氏は、そのニーズに納得。その後も全国で親御さんたちから話を聞き、確実に市場があることを実感します。
親と子どもに本当に必要な機能を
2014年初頭、M2M向けの手ごろな料金プラン「デバイスプラス」を生かせる製品として企画開発を開始。機能やデザインにおいても、親子の視点に徹底してこだわりました。
「最初は通話とメールは必須と考えていたんです。でも『変な電話やメールが来ないか心配』『子どもは電話でちゃんと要件を伝えられない』といった親御さんたちの声を聞き、最終的には通話は不要、メールも簡単なSMSで十分と判断しました。子どもにはあまり高価なものは着けさせられないという方が多いので、価格は抑えたかった。そのためにも、いらない要素はそぎ落とし、本当に必要な機能をしっかり実装して、それを必要としている人に使ってもらいたいと考えました」
色やベルトのデザインを決める際には、たくさんのサンプルを子どもたちに試してもらい、感想を聞きました。「腕時計をする、時計の針を読むという行為は、子どもにとっては大人っぽくてかっこいいこと。充電用のクレードルも、『自分のもの』として存在感が出るように、ベルトを伸ばした状態で置ける形にしました」
ファーウェイとともにこだわりを実現
ファーウェイについては「キッズケータイ(HW-01D、HW-01G)での実績から、こちらの期待に確実に応えてくれるという安心感、信頼感がありました。いずれは、グローバルな事業展開を生かしてこの製品を世界に広げてもらえたらいいですね。親が子どもを守りたいという想いは世界共通ですから」と松藤氏。
価格を抑えながら必要な機能を実装するため、ファーウェイはプラットフォームとしてフィーチャーフォンで使われてきたBREWを使用することを提案しました。「はじめは驚きましたが、電池のもちや動作の安定といった点でも最適な選択だと納得しました。ぶつけても壊れにくいよう画面をフレームよりわずかに低くする設計や、子どもが使いやすいUIセンサーで得た情報をシンプルで直感的に把握できるウェブサイトなども、一緒に知恵を出しあいながら一つひとつこだわりを実現していきました」
家族を守るウェアラブルの可能性
松藤氏が腕時計型端末に関わったのは、ポケットベル、PHSに続いて今回が3台目。「単体で通信機能を持つウェアラブルにできることはもっとある。子ども用やペット用など、これまでにない用途で通信を役立てるという意味で、ウェアラブルの役割は大きいと思います」
認知症や要介護の高齢者向けにドコッチを使いたいという要望も出てきているとか。「ドコッチは家族に安心と自由をもたらします。親が安心できれば、子どもは行動範囲が広がり、自由な冒険ができる。今後も家族を大事にする製品をつくっていきたいですね」