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ファーウェイとインテルの戦略的パートナーシップ

ファーウェイはあらゆる事業においてさまざまなパートナー企業と協業し、互いの強みを生かしながらWin-Winの関係を築いている。長年にわたりコンピューティング技術のイノベーションに注力し、あらゆる機能を集約した小型で高性能のデバイスを生み出し続けてきインテル(Intel)もまた、ファーウェイの重要なパートナーの1社だ。ファーウェイとインテルは10年以上にわたり通信ネットワーク、サーバー、ストレージ製品など多岐にわたるプラットフォームで幅広く協業してきた。2012年9月には、上海で開催されたHuawei Cloud Congress 2012(HCC 2012)において、両社は新たにIT製品とソリューションにおける3年間のグローバル戦略パートナーシップ契約を締結した。

『ICT Insights』(ファーウェイ・エンタープライズ刊)編集部

10年来の協業

今から10年以上前、ファーウェイはインテルに対し、サーバー事業における協業を打診した。インテルのファーウェイ担当グローバル・ビジネス部門ディレクターである方粤生(Fang Yuesheng)氏は、同社のアジア太平洋地域・米国担当者とともに初めてファーウェイ本社を訪れたときのことをよく覚えていると語る。

「社内で分析を重ねた結果、われわれはファーウェイが将来を見据えたビジョンと世界トップレベルの技術力を持ち合わせていると結論づけました。当時ファーウェイは、汎用コンピューティングは近いうちにネットワークや通信の技術と統合されると予測しており、そうした事態に備えた自社製品や技術、人材の強化に着手していたのです」

インテルと協業を開始してから2011年に法人向けICTソリューション事業を正式に立ち上げるまでの10年間、ファーウェイのサーバー事業は拡大と縮小を繰り返してきた。ファーウェイが苦境を乗り越えながら成長する過程を間近に見てきた方氏は、インテルとファーウェイが通常のチップ・メーカーとシステム・ベンダーの関係を超えた協業体制を築けたことが成功につながったと認識している。

「当時は米国のサーバー・メーカーがチップ構造とボード設計技術を主導しており、中国を含むそれ以外の国のベンダーは電力消費や放熱機能など実装レベルの問題にフォーカスしていました。しかし、ファーウェイは自社製品に対するエンド・ユーザーの要件により細やかに対応するため、チップの論理回路を最適化することに腐心していたのです。ファーウェイがサーバー事業で頭角を現したのは、こうした姿勢によるところが大きかったと思います」

共通する企業文化

方氏はファーウェイとの頻繁なやりとりを通じ、2社には高い技術力やチャレンジ精神などの多くの類似点があることを実感している。両社とも、積極的で献身的な取り組みという企業文化を共有していると言う。

「個人的な経験から、才能ある献身的な人材をこれほど多く集めることはファーウェイにとって容易ではなかったと思います。難しい課題に直面しても決してあきらめないファーウェイの姿勢は賞賛に値します。インテル同様、ファーウェイの見事な成功は偶然ではないことは一目瞭然です」

インテル本社副社長兼インテル・チャイナ社長の楊叙(Yang Xu)氏もまた、「ファーウェイとインテルは長年、同じ方向性で企業文化を共有して成長してきました。両社とも優れた製品と技術を生み出すという目標を持っています」と述べている。

さまざまな分野での協業実績

方氏は「HCCで締結された協定は、氷山の一角に過ぎません。水面下では幹部レベルから設計者レベルまで、製品や技術における共同作業が日々進んでいます」と語る。

サーバー分野では、ファーウェイのハイエンド・サーバー『Tecal』シリーズにインテルの『Xeon®』プロセッサーを搭載するなど、両社の最先端の技術を結集して次世代製品を生み出している。

ファーウェイのコンバージド・インフラストラクチャ製品『FusionCube』(p.11参照)の開発においても、インテルとの密接な協業が重要な役割を果たした。『Xeon®』プロセッサーを採用したほか、ソフトウェアの面でもクラウド・オペレーティング・システム『FusionSphere』においてインテルからの技術的なサポートを得ている。

また、SDNとNFVの分野でも両社はタッグを組んでいる。「ファーウェイはSDNとNFVにおける業界のリーダーです。この領域でファーウェイと協業することは当社にとってたいへん有意義だと考えています」と方氏は言う。ボーダフォン(Vodafon)をはじめ世界各国の通信事業者に導入されているファーウェイのSDNおよびNFV製品は、開発段階でインテルのDPDK(Data Plane Development Kit:データプレーン・デベロップメント・キット)を採用している。

また最近では、タブレットとUltrabook(インテルが提唱する薄型軽量ノートパソコン)の今後の市場展開や使用環境、必要なソフトウェアなどについて両社の経営層間で意見交換が行われた。

より多くのお客様へ、ともに先進的なソリューションを

ファーウェイはこの20年間、通信事業者や大手インターネット企業との大口直接取引を中心に事業を展開してきた。いずれも、短い納期やカスタマイズされたソリューションを必要とするお客様である。

法人向け事業を本格化させたファーウェイにとって、あらゆる企業規模の何千ものお客様に対応することが新たな課題となっている。とりわけ、販売代理店やシステム・インテグレーターとのパートナーシップを開拓し、良好な関係を築いていくことが、最も重要かつ時間のかかる仕事だ。ネットワーク事業で5,000台販売した機器も、法人市場ではファーウェイ単独で5台売れればいいほうだろう。

HCC2012で新たに締結された戦略的パートナーシップにより、ファーウェイはインテルの見識と経験を生かし、欧州など新たな市場に参入するにあたって直面する言語や文化の壁を克服することができる。

今後の展開について、楊氏は次のように述べる。

「マイクロ・サーバーやモジュール型コンピューティング・センターなど、インテルは多くのプロジェクトでファーウェイと協力し、今後2年間で予測される市場の需要にともに対応していく計画です。ソフトウェア分野では、ファーウェイのオープン・ソース・クラウドOSとストレージ・ソリューションの統合における協業を予定しています。両社には数千という新たなお客様にそれぞれ特定の要件を満たす製品を提供するという共通の目標があります。われわれはファーウェイが次なる成功に向けて進んでいることを確信しています」