ファーウェイのサービス・デリバリー
スマートフォンをはじめとする携帯端末の普及が進み、M2M(マシン・ツー・マシン)技術によってさまざまな機器が通信でつながるようになった現在、通信ネットワークは社会のライフラインのひとつであり、どんな時でも安全で安定した通信を確実に提供することは通信事業者の重要な責務です。今回のHuaWaveでは、通信事業者のお客様のネットワークの安全性と安定性を保証するためのファーウェイのグローバルなサービス体制と、日本での取り組みについてご紹介します。
通信ネットワークをグローバルに支えるサービス体制
ファイブ・ナイン(99.999%)の信頼性指標を目指す
ファーウェイは、信頼性の高い技術を適用した設計、ソリューション、ネットワーク保障システムによって通信ネットワークをE2E(エンド・ツー・エンド)で支える包括的なソリューションを提供しています。また、通信事業者のお客様のネットワークと事業活動の安定性確保のために24時間365日保守サービスを提供しています。緊急事態(地震、津波、動乱、サイバー攻撃など)の発生時においても、ネットワークを通常の運用状態へ迅速に復旧させ、円滑な通信を確保するための効率的な危機対策メカニズムを開発しました。これによりサービスダウンの発生を最小限に抑え、キャリアクラスの信頼性指標である「ファイブ・ナイン(99.999%)」を目指しています。
付加価値のあるE2Eインテグレーション・サービスを提供
日本の通信業界が国内市場のみならず海外市場にも拡大していく中、いかに迅速に安全性の高いネットワークを構築できるかが通信事業者のビジネス成功ヘの鍵となります。ファーウェイは、ネットワーク構築に設計段階から参加し、通信事業者のお客様のニーズに合わせたネットワークやサービスのプランニングおよび最適化を手がけ、E2Eのインテグレーション・サービスを提供しています。サービスの提供にあたっては、常に現地のプロジェクト・チームとR&Dチームと連携し、適材適所の人材配置によってネットワーク構築のスピードと高い安全性を実現することを目指しています。
ミッション・クリティカルなカスタマー・サポート・センターを設置
ファーウェイの目標は、緊急事態の発生時を含め、ミッション・クリティカルなネットワーク運用を求める世界中のお客様のニーズに迅速かつ効率的に応える体制を構築し、安定性の高い保守サービスを提供することです。この目標に向け、組織体制、人材育成、プロセス、ITツールなど、さまざまな要素を考慮に入れながら、包括的なカスタマー・サポート・センターを設置して保守サービスを提供しています。
ファーウェイでは、お客様からのサービス要求にすばやく応え、問題解決ができるよう、次のようなサービス体制を世界規模で整えています。
◆ LTAC(Language Technical Assistance Center)、GTAC(Global Technical Assistance Center)、R&Dチームの3つのレベルからなる24時間体制のグローバル技術支援サービス・システム
◆130以上のスペア・パーツ・センターを設置したグローバル・ハードウェア・サポート・サービス・システム
◆問題の発生から解決までを迅速かつ効率的に管理するグローバルITR(Issue to Resolution)プロセス・システム
日本におけるサービス・デリバリー
研究開発部門との密接な連携でお客様をサポート
ファーウェイ・ジャパンのデリバリー&サービス本部は、ネットワーク機器の設計、導入、プロジェクト管理、最適化、保守サービスなど、日本国内のお客様のネットワークを安定稼働させるために必要なあらゆる業務を行っています。通信トラブルはひとつのミスから発生し、大規模な障害にいたることも少なくなく、大勢の利用者の皆様に影響をおよぼす可能性があります。ファーウェイが日本で事業を開始して8年が経ち、日本でも多くのお客様にファーウェイの製品をお使いいただくようになった現在、ネットワークの運用をサポートするデリバリー&サービス本部の責任はますます大きなものとなってきています。
ファーウェイにとって重点市場である日本では、当社の強みのひとつである優れた研究開発部門ととりわけ密接に連携し、強力なサポート体制を整えています。本社の研究開発技術者を日本に派遣し、現地社員と一緒に業務を行うことで、日本のお客様の要求を研究開発部門が正確に把握できるようにしています。また、日本の技術者が本社の技術者から直接技術移転を受けることで、スキルの向上を図っています。各プロジェクト・チームには発足の時点で必ず本社の研究開発技術者がメンバーに入り、プロジェクトの初日から協業を開始します。
きめ細かな対応を可能にするローカライゼーションとパートナーシップ
ファーウェイ・ジャパンでは、こうした研究開発部門との連携や前述のE2Eインテグレーション・サービスなどのグローバルなリソースを日本のお客様の要求や実状に沿った形で生かせるよう、プロセスや作業手順を可能なかぎりローカライズしています。日本の関連法令に基づいた実のある安全管理や、品質に対する日本のお客様の高い要求水準に応えられる技術者スキルの育成にも力を入れています。
このような取り組みを実施するためには、経験豊富な日本のパートナー企業との協業も不可欠です。ファーウェイ・ジャパンは20社を超える日本のパートナーの皆様とともに、高品質かつ適切なコストでサービスを提供するためのイノベーションを実現し、新たなビジネスを開拓していくことで、Win-Winのパートナーシップを構築しています。
品質向上への取り組み
ネットワークの構築・保守において技術者一人で行える仕事は限られており、業務の品質を高め、ミスを防止するには、問題意識をしっかりと共有したチームが必要です。このチームを支える施策として、技術者スキルの向上の機会拡大、能力レベル別に応じた研修と試験、公的資格取得の奨励などを行っています。
また、通信サービスには個人情報をはじめさまざまな顧客情報が含まれており、通信障害時はもちろん、平時においても情報管理の徹底は重要な課題です。ファーウェイ・ジャパンでは、グローバルに策定されたサイバー・セキュリティー・ポリシーに基づき、情報管理の重要性、ルールの厳守、情報漏えい防止策、問題発生時の報告方法など細部にわたって全従業員に教育し、その理解度を確認した上で誓約書を取り交わし、情報管理事故の防止に努めています。
信頼されるサービス・デリバリー・チームを目指して
ファーウェイ・ジャパン 執行役員 デリバリー&サービス本部長
置田 直樹
私は2013年6月にデリバリー&サービス本部長に着任し、それ以来、「国内で最も優れたサービス・デリバリー・チーム」とお客様から評価していただけるようになることを目標としてきました。そのために、あらゆる問題を洗い出し、改善計画を実行し、改善を継続できる仕組みづくりに取り組んでいます。
お客様のネットワークの安定性・安全性を保証するために24時間365日サービスを提供することは、非常に責任ある業務です。お客様から信頼していただくには、お客様、そしてその先にいるネットワーク・サービスの利用者の皆様のことを常に第一に考え、お客様との約束を一つひとつ真摯に、忠実に果たすよりほかありません。
このような目標の実現には、プロセスやスキル、チームワークなど多くの要素が必要ですが、私はその中でも最も重要なのは人だと考えています。技術は日々進歩し、高性能化、高密度化、自動化が進みますが、こうした技術を使うのは人であり、業務に対する強い責任感と使命感に裏づけられた行動こそがお客様に満足していただける結果へとつながるのです。
デリバリー&サービス本部の従業員はその70%以上が日本での現地採用で、本社から派遣された駐在員とともに多国籍のチームを構成しています。異なる文化を理解し、互いに尊重し、弱みを補い、強みを生かす――当本部では、多様な従業員を適材適所で配置し、スキルを最適化することによって、持ちうるリソースを最大限活用できるような環境を整えています。さらに、日本のお客様の要求をより正確に把握し、それに的確に応えるために、今後も引き続きローカライゼーションを進めていく計画です。
問題は起こさないことが第一ですが、万が一発生してしまった場合、どのような対処ができるかによって、私たちの真の力が試されます。一つひとつの問題を迅速かつ丁寧に解決し、再発の防止を徹底することで、安定したネットワーク稼働を保証しつづけていけるよう、これからも尽力してまいります。